内容説明
道徳科はなぜ必要なのか?「考え、議論する道徳」の実現には何が必要なのか?学習指導要領と解説を丁寧に読み解き、教育哲学・倫理学の観点から道徳科を“擁護”する意欲作。上辺だけの「忖度道徳」や「読み取り道徳」を回避するべく、教材の内容項目を分析するワークシートと効果的な発問パターンで、「道徳的価値」を多面的・多角的にとらえ深く理解する授業づくりを提案する。
目次
第1部 理論編(道徳科の目標;道徳的価値の理解を軸とした道徳授業づくり;道徳の授業方法の論争に終止符を打つ―「心情追求型」か、「問題解決的な学習」か;「押し付け道徳」に陥らないために;道徳科の評価)
第2部 実践編(道徳の学習指導案)
著者等紹介
髙宮正貴[タカミヤマサキ]
2014年上智大学大学院総合人間科学研究科教育学専攻博士後期課程修了。現在、大阪体育大学教育学部准教授(博士(教育学))(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぽん教授(非実在系)
4
所謂教員用授業のやり方本だが、その平均的出来を大幅に越えている極めて高水準な本。カントとデューイとミルの思想を比較しながら道徳授業にどう役立つか徹底的に整理しておりメタ倫理学の実践という趣がある。実践例や教育計画の事例も豊富でそれらの思想的議論ともしっかり連関している。本書の立場に批判的である場合であっても、本書の方法論から学ぶべきことは大いにあるであろう。2021/09/11
Go Extreme
0
道徳科の目標具体化 道徳科学習の必要性 不要への反論 道徳的価値観・多面的/多角的・考え深める・判断力・心情・実践意欲 価値・人間・他者理解 多面:意味の様々な側面 多角:条件や観点の多様性 道徳に答えはないのか:事実から価値を導きだせず・相対主義の問題・4つの立場 自我関与>読み取り・上辺・付度・裁く道徳 心情追求型or問題解決的学習 カント。理想主義対デューイ・現実主義 4類型:主観・客観×現実・理想 価値観の押し付け 押し付け×強制・抑圧的コミュニケーション 学習状況と道徳性に係る成長の様子の評価2020/11/30