心の科学のための哲学入門<br> 他者問題で解く心の科学史

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心の科学のための哲学入門
他者問題で解く心の科学史

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  • サイズ B6判/ページ数 252p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784762828690
  • NDC分類 140.2
  • Cコード C1310

出版社内容情報

「他者とは何か」という問題意識によって,心理学・心の科学の歴史を辿り,現在を診断する。著者に依れば「他者問題」を明確に措定せず,自然科学の方法論を人間性の探究に適用しようとしてきた人間科学における論考は,おおむね的外れであった。その躓きの要因を浮き彫りにし,改めて他者問題を俎上に載せ,その解明を試みる。

プロローグ バベルの人びと
 0・1 あるSF作家の、心理学会に参加した若き日の思い出
 0・2 心理学におけるバベル症候群と質的心理学の台頭
 0・3 氾濫する「認識論」という言葉
 0・4 本書の構想―ゼロから始める認識論で認識論的解読格子を作る
 0・5 心理学・人間科学の躓きの石とは――人間的世界経験のパラドックス構造
 0・6 他者問題――心の科学の最難問

第1章 世界を見ることを学びなおす――マッハの自画像

第2章 科学的心理学(=操作主義)の認識論的構造を解き明かす
 2・1 科学的とはなにか――テレビでの超能力論争
 2・2 ノーベル賞物理学者ブリッジマンの困惑
 2・3 戦後すぐに日本に紹介されていたスチーヴンスの操作主義哲学
 2・4 科学的心理学の二つの認識論的決断――他者の心理学と数量的心理学
 2・5 操作主義を二つの公準に基づき二次元平面モデル化する
 2・6 初級心理学実験の実習で出会う心身問題とその解法
 2・7 心理学の不自然な科学性

第3章 認識論的解読格子ができあがる
 3・1 他者への視点 vs. 自己への視点(視点の対立軸)
 3・2 法則的説明 vs. 意味理解(スタンスの対立軸)

間奏曲 人間的世界経験のパラドックス構造とはなにか
 X・1 自画像と上空飛行
 X・2 他者問題と心身問題

第4章 科学革命の落とし児から認識論的革命へ――解読格子の使い方
 4・1 科学革命の落とし児――法則性を追求してきた17―19世紀の連合心理学
 4・2 実験心理学の誕生
 4・3 ヴント心理学のユニークさ
 4・4 本章のまとめと次章以降の展望

第5章 質的心理学認識論の源流(1)――現象学とゲシュタルト心理学
 5・1 ブレンターノと志向性
 5・2 「志向性」は「表象」や「記号」で置き換え可能か?
 5・3 「志向性」は「意味」で置き換え可能か?
 5・4 法則性の追求から「意味」の再発見へ
 5・5 ブレンターノからの心理学的継承――ゲシュタルト質からゲシュタルト心理学へ
 5・6 ゲシュタルト心理学とその周辺
 5・7 認識論的解釈格子への現象学とゲシュタルト心理学の位置づけ
 5・8 ゲシュタルト心理学における「測定実験」とは「意味上の連関の定量的解明」のことである
 5・9 現象学とゲシュタルト心理学の「対象」は「体験」である
 5・10 フッサールの現象学に一言

第6章 質的心理学認識論の源流(2)――解釈学と精神分析
 6・1 表と裏の関係にある現象学と解釈学
 6・2 解釈学とはなにか
 6・3 ディルタイと精神科学の構想
 6・4「説明」と「理解」の違いを理解し説明することはできるか?
 6・5 精神分析の登場――無意識は感情移入で理解できるか
 6・6 意味とは個人心理ではなく社会的歴史的なものである――解釈学の展開
 6・7 ハイデガー(1)――先行-理解ということ
 6・8 ハイデガー(2)――時間性・不安・死への存在・共同存在
 6・9 質的研究リヴァイバルへの展開――脱獄か、壁自体の破壊か

第7章 認識論的転回――新・科学哲学の興隆
 7・1 論理実証主義からクーンのパラダイム論へ
 7・2 意味の検証可能性原理と観察の間主観性原理
 7・3 論理実証主義と行動主義
 7・4 論理実証主義への批判――ポパーの反証可能性理論
 7・5 クーンのパラダイム論と科学革命論

第8章 解釈学的転回
 8・1 クーンが解釈学的転回について語る
 8・2 ギアーツの「厚い記述」
 8・3 質的研究法の現代――グランテッド・セオリー・アプローチとシンボリック相互作用論
 8・4 認識論的解読格子による解釈学的転回への一回目の評価
 8・5 ガダマー――解釈学的転回の射程
 8・6 認識論的解読格子による解釈学的転回への二回目の評価

第9章 言語論的転回
 9・1 問題のおさらい
 9・2 ウィトゲンシュタインと言語ゲーム
 9・3 社会的構成主義
 9・4 言説分析――心理学の対象はテクスト(叙述された記録)とディスコース(言説)?
 9・5 言語論的転回の認識論的評価
 9・6〈私〉もまた、テクスト上に構成される
 9・7 私的言語批判
 9・8 ウィトゲンシュタイン派エスノメソドロジーにおける私的言語批判
 9・9 私的言語批判の批判のこころみ――発生論的誤謬
 9・10 ウィトゲンシュタインにかつがれないこと
 9・11 まとめ

第10章 もの語り論的転回(ナラティヴ・ターン)
 10・1 ナラティヴ(もの語り)とは何か
 10・2 精神分析をめぐって(1)ヤスパースとリクール
 10・3 精神分析をめぐって(2)――物語としての精神分析
 10・4 ブルーナーの二つの思考様式
 10・5 リクールの『時間と物語』
 10・6 結語――認識論的解読格子の四肢構造から三肢構造へ

エピローグ――脱構築

付章 だれでも分かる! 他者問題超入門
 Y・1 心身問題のわかりやすさと他者問題のわかりにくさ
 Y・2 他人は自分と似ているという類推論法
 Y・3 テオドール・リップスの類推説批判と感情移入説
 Y・4 類推説が正しく感じられる理由――〈人間一般〉という自明過ぎる前提
 Y・5 マッハ的自画像の「実験」
 Y・6 他者問題への真の出発
 Y・7 他我の直接知覚説――他者認識という問題設定の背理
 Y・8 『デカルト的省察』におけるフッサールの他者論
 Y・9 ヘルトによる『デカルト的省察』への内在的批判
 Y・10 フッサール間主観性学派の逆襲――ザハーヴィの可能的他者の説
 Y・11 パラドックスの正体――田口茂による〈原自我〉論

ブックガイド
あとがき

【著者紹介】
渡辺 恒夫
東邦大学 名誉教授

目次

第1章 世界を見ることを学びなおす―マッハの自画像
第2章 科学的心理学(=操作主義)の認識論的構造を解き明かす
第3章 認識論的解読格子ができあがる
第4章 科学革命の落とし児から認識論的革命へ―解読格子の使い方
第5章 質的心理学認識論の源流(1)―現象学とゲシュタルト心理学
第6章 質的心理学認識論の源流(2)―解釈学と精神分析
第7章 認識論的転回―新・科学哲学の興隆
第8章 解釈学的転回
第9章 言語論的転回
第10章 もの語り論的転回(ナラティヴ・ターン)
付章 だれでも分かる!他者問題超入門

著者等紹介

渡辺恒夫[ワタナベツネオ]
1970年京都大学文学部卒。東邦大学名誉教授、明治大学兼任講師、博士(学術)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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オフィス派の宇宙図

1
フッサール「ふぇぇ、星宮いちごに可能的自己を適用しちゃった.…」 星宮いちご「わたしの熱い人間活動はじまります!」ウィトゲンシュタイン「おまえは言語ゲームに入ってないだろーが!」星宮いちご「アイカツ!アイカツ!(崖を登って言語ゲームの構成員になる)」2014/12/21

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