出版社内容情報
社会的情報処理モデルの改訂と研究の進展を踏まえ,情動制御や適応との関連,家族関係が仲間関係に及ぼす影響などについて詳説。
子どもの仲間関係における成立過程上の様々な問題に関し,最新の理論をベースとした包括的解説書。社会的情報処理モデルの改訂と研究の進展を踏まえ,情動制御や適応との関連,家族関係が仲間関係に及ぼす影響や初期の仲間関係とその後の問題行動との因果関係について詳説する。また介入プロジェクトの成果についてもふれる。
目次
第1部 社会の中での仲間内地位(ソシオメトリック地位と仲間集団行動:これまでに明らかになったことと現在の動向;ジェンダーと仲間関係;2つのジェンダー文化は本当に異なるのか?;友人関係、仲間ネットワーク、反社会的行動)
第2部 社会‐認知と情報過程(社会的情報処理と子どもの社会的適応;仲間関係の中での子どもの情動の理解と制御;仲間による拒否の体験を理解する;仲間関係の問題はどのようにしてネガティブ結果につながるのか:統合的媒介モデル)
第3部 家族の影響(親とその両親や仲間との関係:子どもの社会的発達への影響;児童中期における家族関係から仲間による拒否や反社会的行動へ)
第4部 援助と予防(ファスト・トラック実験:発達モデルを予防計画に生かす;もし彼らをつぶせないなら、仲間に入れよう:青年期の仲間を基盤とする介入;研究と現実世界の出会い:ファスト・トラックの3つの地域実践の教訓)
第5部 結論(ネガティブな社会的経験が反社会的行動の発達に与える影響)
著者等紹介
クーパーシュミット,ジャニス・B.[クーパーシュミット,ジャニスB.] [Kupersmidt,Janis B.]
ノースカロライナ大学チャペルヒル校の心理学准教授。1978年にラトガース大学ダグラスカレッジで学士号を、1985年にデューク大学で臨床心理学の博士号を取得した。ウイリアム・T.グラント財団の優秀研究者賞を受賞している。主任研究者ないしは副主任研究者として国立精神保健研究所、国立薬物依存研究所、国立児童保健・人間発達研究所、物質依存予防センターなど連邦政府関係機関の助成による多くの研究に関わってきた
ダッジ,ケネス・A.[ダッジ,ケネスA.] [Dodge,Kenneth A.]
デューク大学の公共政策と心理学のウィリアム・マクドゥガル記念講座教授。子どもと家族政策センターのセンター長でもあり、研究、政策管理、サービス、教育を通して現代社会で子どもが直面している問題の解決を見出すことに専心している。1975年にノースウエスタン大学で学士号を受け、1978年にデューク大学で臨床心理学の博士号を取得した。アメリカ心理学会の科学貢献賞、ボイド・マッキャンドレス賞、国立保健研究所の上級科学者賞を受賞しており、米国科学振興協会、実験犯罪学会、アメリカ心理学協会、アメリカ心理学会の特別会員である
中澤潤[ナカザワジュン]
1951年島根県に生まれる。1977年広島大学大学院教育学研究科修士課程修了。現在、千葉大学教育学部教授・博士(心理学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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