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出版社内容情報
「9歳の壁」は,どの子どもにも見られる現象だが,聴覚障害教育現場でいち早く指摘されてきた歴史がある。具体的思考から抽象的思考に移行するこの時期にスポットをあて,確かな学力や日本語力の獲得をめざし,生活言語の量・質の確保や学習言語への移行のための下地作り,考える力の育成,等の重点課題を本書で展開する。
はじめに
1章 9、10歳という質的転換期
1 9歳の壁・9歳レベルの峠・10歳の壁
2 「9歳の壁」は学力面だけではなく他の面でも現れること
3 「9歳の壁」が話題となる領域
4 「9歳の壁」と解決方略
5 算数・数学における「9歳の壁」
2章 「9歳の壁」と2つの言語形式
1 2つの言語形式
2 「生活言語/学習言語」と「9歳の壁」
3 「9歳の壁」を越えていない群
4 「シンタグマティック」から「パラディグマティック」へ
5 2つの言語形式と関わるいろいろなキーワード
6 「具体的」と「形式的」
3章 「9歳の壁」と聾教育
1 聾学校での言語指導の変遷と「9歳の壁」
2 コミュニケーション論争と「9歳の壁」
3 コミュニケーション能力と学力の間の距離
4 日本語の助詞とわずかな聞こえの違いによる違い
5 人工内耳が「9歳の壁」を増やす(?)
6 「一言語」と「二言語」の違いと「9歳の壁」
7 「学習言語」の手話翻訳の仕方
8 豊富な読書体験と「学習言語」
9 聴覚活用と「学習言語」
10 認識面の発達と「9歳の壁」
11 社会性の発達や障害認識と「9歳の壁」
4章 「生活言語」と「学習言語」
1 「話しことば」と「書きことば」の違い
2 「平易なことば」に言い換える度合い
3 「意味理解」と「抽出理解・比較理解」
4 日本語と手話の間の距離
5 意訳と「新しい語」にふれる機会
6 教員による「不自然な文章」から
7 「学習の転移」が容易でないもの
8 表音文字と表意文字に関わって
9 教育場面での指文字や手話の使い方
5章 「9歳の壁」を越えるために
1 「9歳の壁」を越えるために不利な条件
2 「9歳の壁」を越えるために
6章 取り組み?T 語彙ネットワークの充実・拡大
1 語彙ネットワークの充実と拡大の重要性
2 語彙ネットワークが緊密でない場合の例
3 語彙ネットワークの充実・拡大に関する取り組みの例
7章 取り組み?U 「考える力」の育成
1 「考える力」の重要性
2 「考える力」がないときの例
3 「考える力」の育成のための家庭での取り組みの例
4 学校での取り組みの例
5 「考える力」を培わせるためのツール
8章 取り組み?V 情報の確保
1 経験のさせ方の工夫
2 「耳も目も使う」ことの大切さ
3 情報の量と質の確保
4 口形を大切にした指導
5 個人の認知特性を考慮に入れた指導
6 個人の状況を考慮に入れた指導
付章 「9歳の壁」に関する追記
1 「学校教育」の実質的な量や質について
2 「9歳の壁」と社会性の関連にこだわらないこと
3 「(本来的)能力」と「スキル」について
4 「9歳の壁」を越えられていない生徒に対する手立て
5 「定型発達」にこだわらないこと-発達の可塑性-
6 「9歳の壁」と「親離れ・子離れ」
7 坂本多朗氏の本より
8 「14、15歳の壁」について
あとがき
補注・文献
内容説明
どの子にも見られるこの壁の正体とは?そして、必要な具体的手立てとは。
目次
1章 9、10歳という質的転換期
2章 「9歳の壁」と2つの言語形式
3章 「9歳の壁」と聾教育
4章 「生活言語」と「学習言語」
5章 「9歳の壁」を越えるために
6章 取り組み1 語彙ネットワークの充実・拡大
7章 取り組み2 「考える力」の育成
8章 取り組み3 情報の確保
付章 「9歳の壁」に関する追記
著者等紹介
脇中起余子[ワキナカキヨコ]
新生児の時に、薬の副作用で失聴。京都大学大学院教育学研究科博士後期課程中退。龍谷大学大学院文学研究科博士後期課程修了。現在、京都府立聾学校教諭(教育学博士・学校心理士)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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