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出版社内容情報
集団の作り出す意見は,より多くの人々に共有されるほど極端化していく…。共有知識構造という概念で集団極化現象を解説。
集団の作り出す意見は,より多くの人々に共有されるほど,単純化・極端化していく…。個人・集団・社会を相互に関係し合う環と捉え,言葉や数値などがどの程度共有されているかに関する概念「共有知識構造」で社会心理学の古典的知見「集団極化現象」を解説。集団の意思決定過程や社会の合意形成過程に及ぼす影響を探る。
序 章 原発事故はなぜ起こりえたのか
1 はじめに
2 鍵となる概念
3 本書の構成
第1章 集団極化現象をめぐって
1 集団極化現象
2 社会的影響過程の基礎理論
3 集団極化現象の説明理論
4 少数者の影響過程
5 集団極化現象の説明理論Ver.2
6 多数決ルール予測とプロトタイプ度予測の比較
まとめ●共有知識構造が主観的妥当性を定める
第2章 集団の情報処理過程
1 共有知識の予測
2 認知モデルと会話をする
3 集団の記憶研究
4 集団が情報を「知る」とは?
5 課題表象
6 極端化過程の仮説
7 血液型判断の虚記憶実験
まとめ●共有された文脈で情報が増加すると集団は極端化する
第3章 世論変動と社会の極化現象
1 意見分布の認知
2 1999年にノストラダムス信念はどう変化したか
3 集団の創造性
4 集団が合意に失敗するとき
5 コンフリクトによる態度変容
6 非合意集団に両極化現象は起こるか<合意確率実験2>
7 非合意集団の反極化現象<合意確率実験3>
8 望ましいコンフリクトはありうるか
まとめ●共有知識構造が母集団と「ずれた」集団は合意しにくい
第4章 社会的アイデンティティと態度の極端化
1 社会的アイデンティティ
2 社会的比較理論
3 最適顕現性理論
4 内集団均質化認知の極化実験
まとめ●意見分布の認知も極端化する
第5章 共有認知としてのリーダーシップ
1 リーダーシップ研究の歴史
2 優しさと厳しさを兼ね備えるには
3 プロトタイプ度とリーダーシップ認知の関係
まとめ●リーダーシップは,社会からの影響を受ける
第6章 集団間関係の中のリーダーシップ
1 模擬社会ゲーム
2 集団間リーダーシップ
3 模擬社会ゲームを用いた事例研究
まとめ●相互依存性は集団間コンフリクトを抑制できない
第7章 インターネット社会の極化現象
1 インターネットとは
2 インターネット上の集団極化現象
3 自己にかかわる共有知識
4 非共有情報が対人認知に影響する
5 インターネット上での文脈の共有
6 ネットワークと極化現象
7 集合知
8 知識構造としてのインターネット
まとめ●集合知は判断しない
終 章 民主主義の未来
1 各章で見いだされた結果
2 部分と全体をつなぐもの
3 原発事故はなぜ起きたのか
4 民主主義の未来
5 ゲーム理論における共有知識
6 科学をどう伝えるか
目次
序章 原発事故はなぜ起こりえたのか
第1章 集団極化現象をめぐって
第2章 集団の情報処理過程
第3章 世論変動と社会の極化現象
第4章 社会的アイデンティティと態度の極端化
第5章 共有認知としてのリーダーシップ
第6章 集団間関係の中のリーダーシップ
第7章 インターネット社会の極化現象
終章 民主主義の未来
著者等紹介
有馬淑子[アリマヨシコ]
1958年大阪生まれ。1984年大阪大学人間科学研究科後期博士課程退学。現在、京都学園大学人間文化学部准教授。博士(大阪大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。