内容説明
当事者の同定が多様な声を抑圧する危険性、当事者/非当事者の単純な二分化の位置づけへの異議、安易なラポール形成への逡巡、調査し分析し執筆する者自身が帯びる当事者性…。16人の研究者がさまざまなポジションから「当事者性」を問う、初の書き下ろし論集。
目次
「当事者」をめぐる拡散反射
第1部 「非当事者」のポジションから(固定化された関係を越えて;質問者/回答者関係の逆転―いったい何を問われているのか;「私」の「当事者」試論―性同一性障害/トランスジェンダーの「当事者」と出会って;自死遺族支援組織の成立と遺族の声のポリフォニー;「あなた病む人、わたし治す人」?―医療者がもつ当事者感覚について)
第2部 「当事者」のポジションから(当事者「である」こと/当事者「とみなされる」こと;当事者であることに目覚める・離れる・また近づく;障害者による障害者心理の研究の意義と課題;「当事者研究者」の流儀―2.5人称の視点をめざして;「カウンセラー」という曖昧な自分と向き合う;フィールドワークにおけるジェンダー―ジェンダーをともに生きる「当事者」として)
第3部 「当事者」と「非当事者」をめぐる境域(同じ「場所」にいること―「当事者」の場所論的解釈;原風景研究と関連する「地域性」と「当事者性」;意味解釈に現れる研究者の当事者性―あるエピソード解釈の事例から;当事者視点に立つということ)
著者等紹介
宮内洋[ミヤウチヒロシ]
1966年生まれ。高崎健康福祉大学短期大学部児童福祉学科准教授。臨床発達心理士。専門社会調査士。北海道大学大学院教育学研究科博士後期課程単位取得退学。日本学術振興会特別研究員DC1、琉球大学非常勤講師、日本学術振興会特別研究員PD等を経て、2005年4月より現職
今尾真弓[イマオマユミ]
1974年生まれ。臨床心理士。名古屋大学医学部非常勤講師・東海学園大学非常勤講師。名古屋大学大学院教育発達科学研究科博士課程後期課程満期退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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ひろか
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