内容説明
私たちの心は、どこまでがヒントに独自なもので、どこからがほかの動物と同じなのだろうか。かつては、ヒトの心の研究は、哲学や心理学の領域だった。しかし、今では神経科学、生物学、物理学や工学の研究者たちが、まじめにヒトの心を理解しようと研究している。さまざまな色の研究という光を当てることで、ヒトの心の輪郭がはっきりしてくる。本書では、心理学の領域にとどまることなく、むしろその領域の内外に出入りすることで、可能な限り多面的にヒトの「心の輪郭」を浮かび上がらせようとしている。
目次
序章 心の輪郭
第1章 知性の多様性
第2章 生まれもった行動パターンと経験によって行動を調整する能力
第3章 学習能力の進化的・発達的起源
第4章 陸に上がった動物たちの認知―情報の取捨選択
第5章 脳と知性の共通化?
第6章 サルとチンパンジーとヒトの情報処理様式の違い
終章 これまでとこれから
著者等紹介
川合伸幸[カワイノブユキ]
1966年京都府に生まれる。1995年関西学院大学文学研究科博士課程単位取得満期退学。名古屋大学大学院情報科学研究科助教授(心理学博士)。受賞―文部科学大臣表彰・若手科学者賞(2005年)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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