内容説明
本書は、現在年に二~三回ぐらいベトナムに足を運んでいる著者が、ベトナムとの最初の出会いから現在に至るまでの過程で出会った「不思議な魅力の人々」について綴った私的なノートである。
目次
ベトナムと出会う
ヴィンロンの女性ガイド
ホアンキエム湖のお茶売り
定宿の女性オーナー
ハノイの路地の雑貨屋さん
露天の市場のタニシ売り
サーカスの女性曲芸師
日本語を学ぶ若者たち
ベトナムのエスペランチストたち
フエの船上生活の女の子
ハンディキャップのある日本語教室の先生
戦争について語る人々
元北ベトナム兵士の作家
フエの元反戦運動家たち
「生と死と時間」を描くいのちの画家
余録:ベトナム社会の鼓動
「ベトナム」をめぐる旅は続く
著者等紹介
伊藤哲司[イトウテツジ]
1964年名古屋に生まれる。1987年名古屋大学文学部哲学科(心理学専攻)卒業。1993年名古屋大学大学院文学研究科(心理学専攻)満期退学。1993年茨城大学人文学部講師。1996年茨城大学人文学部助教授。1998年5月~1999年2月文部省在外研究員としてベトナム(ハノイ)滞在。専攻は社会心理学。学位、博士(心理学)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Machida Hiroshi
2
本書は、心理学者である著者が、ベトナムに惹かれ、多くのベトナムの人々と出会い、日常やベトナム戦争について語り、率直な感想をおりまぜながら記した本です。僕と著者が同世代だからか、著者の言葉の端々に現れる感性に親和性を感じました。これもまたベトナムに行きたくなる魅力に満ちた一冊です。2014/02/27
ワッピー
2
仕事に絡んでいろいろなベトナム本を読みましたが、このようなほっこりした温かみを伝えているものはありませんでした。ここに描かれているベトナムの人々は、たしかに「不思議な魅力」を持っています。オフショアとか、アウトソーシング先とかいう記号ではなく、まずは人間として付き合うことが何よりの国際化ではないかと思ったりして。ワッピーもベトナムに行く縁がありますように…2011/12/13
Eddie
2
ベトナムに興味がある人なら是非一度読んでみるべき。 ベトナムは投資先、事業展開先、そうかもしれないけど、そこに住む人々はどういう人たちなのか。 筆者のベトナムでの交流を通じて、観光やビジネスだけではわからないベトナムという国の本当の姿が垣間見れる。そしてベトナムに興味がある我々がベトナム人とどうやって接していくか、ひとつのヒントがここにある。2010/06/16
Masa
1
最近ベトナムによく行くので図書館でベトナム関連本を探してみた。茨城大学の社会心理学の先生が書いたベトナムの人々について。ハノイに住む人たちはベトナム戦争時代の北爆の影響なのか、ニューヨークでの911のテロの時少し嬉しかったと感じていたってのは意外。でも日本人が忘れっぽ過ぎるんだね。日本に行った事は無いが日本について学ぶハノイの社会人文科学大の学生が語った「日本人と話しても、ベトナムの良いことしか言わず、それは必ずしも本心では無いから、つまらない」ってちょっと胸が痛いな。2018/05/16
Y.U
1
まだベトナムとの縁がありそうな予感。もう一度向き合ってみたくなりました。ベトナムに対する意識はすごく解ります。今、中国との衝突が報じらているが、彼らの気質から引かない気がする。ただビジネスは別でお互いしたたかなんどろう…廻りの方が振り回される様な気がする2014/05/11
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