内容説明
人は長年にわたって、さまざまな植物を生活の中で利用してきた。そうした中で、特定の植物を食べたり煎じて飲んだとき、いつもと異なる気分の変化を体験したことがあったはずである。このような植物は、生きるために食べるという目的から離れて次第に神聖化され、シャーマンや族長が執り行なう儀式の重要な道具として使用されることになり、文明の発達および生産性の向上とともに、日常生活の質の改善、社会体制の維持、あるいは単に気分転換を目的に利用されてきた。そして、世界レベルで最終的に残り、嗜好品として日常生活で使用されてきたものがコーヒーや茶などであり、それらの主成分であるカフェインとその類似化合物(コーヒー、茶、チョコレート)、ニコチン(タバコ)およびエタノール(酒)であった。本書では、最近の科学的知見に基づいて、これらの精神薬理作用について紹介し、その功罪を考える。
目次
カフェイン含有植物
コーヒー、茶、チョコレート、コーラ飲料の歴史
カフェイン摂取量
カフェインの体内動態
カフェインの作用機序
カフェインの薬理作用
カフェインの精神作用
カフェインの行動作用
カフェインの依存性
カフェインの有害作用
コーヒー、茶の功罪
チョコレートの功罪
コーヒー、茶、チョコレート・ココア、コーラ飲料の効果をめぐる最近の話題
著者等紹介
栗原久[クリバラヒサシ]
1947年群馬県新田郡宝泉村(現太田市)生まれ。1970年群馬大学教育学部化学科卒業。1972年群馬大学大学院工学研究科応用化学専攻修了(工学修士)。1973年群馬大学医学部助手、行動医学研究施設行動分析学部門。1979年医学博士。1986年~1987年文部省在外研究員(米国ニュージャージー州立ラトガース大学心理学教室留学)。1996年~1997年米国テキサス大学ヘルスサイエンスセンター・サンアントニオ校薬理学教室留学。1997年群馬大学医学部助教授、行動医学研究施設行動分析学部門。1997年~現在、(株)和漢薬研究所総合開発研究所(次長)
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