内容説明
本書では、文部省とその管轄にある審議会が、戦後の高等教育を長期的視野、展望のもとに展開してこなかったことを指摘、批判している。主体的に20世紀の負の遺産である「大学」を再構築し、欧米の一流大学に比肩しうる高い学問、研究水準を誇る高等教育機関―「選良大学」を内発的に創出する運動を提唱した。
目次
第1章 高等教育の改革に関して理系大学人の発言(学問の場の中心は人とその雰囲気、緊張感;欧米から見た戦後日本の大学―研究と教育 ほか)
第2章 戦後高等教育の改革―その光と影・1949‐1999(戦後の教育制度の欠陥、失敗;科学、技術大国にふさわしい科学教育をどうするか―最近のゆとり教育を批判する ほか)
第3章 巨大科学への大学の参加と基礎研究の衰退―核融合研究の切り口から(核融合研究の出発点の重要な議論―AB計画論争を検証する;大学基礎研究の衰退 ほか)
第4章 自然科学と人文、社会科学とのあいだの調和、総合の上に高等教育の再構築
第5章 まとめ
著者等紹介
竹田保正[タケダヤスマサ]
昭和10年1月京都市に生まれ、高校までの教育を京都市で受ける。昭和34年3月大阪市立大学理学部物理学科を卒業。昭和37年10月大阪市立大学大学院理学研究科博士課程(物理学専攻)を退く。昭和37年10月日本大学理工学部に助手として任用される。昭和51年3月プラズマ物理学の研究により、大阪市立大学理学博士の学位を授与される。昭和58年4月日本大学理工学部助教授。昭和63年4月同上教授。昭和45年4月~同48年3月名古屋大学プラズマ研究所共同研究員。昭和57年5月~7月日瑞基金によるスウェーデン派遣研究員として、ストックホルム、王立工科大学プラズマ物理学研究所にて研究を行なう。専攻は、実験室におけるプラズマの非線形現象の研究、とくに地球磁気圏、スペースプラズマ、太陽コロナ、宇宙プラズマで問題になる非線形現象、例えば異常電気抵抗とか、局所的コヒーレント構造の形成、これに伴う粒子加速、加熱を研究する
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