脂質栄養学シリーズ<br> 脂質栄養と脂質過酸化―生体内脂質過酸化は傷害か防御か

脂質栄養学シリーズ
脂質栄養と脂質過酸化―生体内脂質過酸化は傷害か防御か

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  • サイズ A5判/ページ数 213p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784762218880
  • NDC分類 498.55
  • Cコード C2047

内容説明

本書の内容を要約すれば、(1)不飽和度の高い油脂は空気中で過酸化を起こしやすく、過酸化脂質の多い食品の多量摂取は有害である。ところが、(2)リノール酸(n‐6)系はα‐リノレン酸(n‐3)系より空気中で過酸化脂質を作りにくいが、生体内では大きな差を生じさせない。そして、(3)生体内での脂質過酸化は、抗酸化系と連動して活性酸素によるフリーラジカル傷害を抑え、生体防御的に働いている可能性が高い。また、(4)酵素による脂肪酸の過酸化では、n‐6系から強い炎症メディエーターが作られ、その過剰産生が欧米型がん、心筋梗塞、アレルギー過敏症などの主因である。n‐3系脂肪酸はそれらを競合的に抑えることができる、と結論づけられる。

目次

第1章 脂質栄養をめぐる諸問題(脂肪酸代謝の三系列と食物連鎖;動脈硬化、心疾患(虚血性)、脳梗塞の2つの危険因子、高いn‐6/n‐3比と高コレステロール血症 ほか)
第2章 脂質過酸化のプロセス(脂肪酸や油脂の脂質過酸化;食物や生体成分の脂質過酸化 ほか)
第3章 脂質過酸化の測定(脂質過酸化測定法と留意点;電位差滴定法による脂質ヒドロペルオキシドの測定 ほか)
第4章 食物および食用油脂の過酸化(油脂および油脂含有食品の大気中における劣化;脂肪酸、リン脂質の水溶液中での劣化 ほか)
第5章 脂質(PUFA)摂取による生体内脂質過酸化とその功罪(生体内脂質ヒドロペルオキシド消去系;食事脂質、過酸化脂質と病気の関わり―フリーラジカル(活性酸素)傷害の虚血・炎症説 ほか)