出版社内容情報
生活を守り、働く意欲を支える――ドイツ社会保障の歩み。
ドイツにおける救貧制度と社会保障の歩みを、中・近世から現代まで通史的にたどり、
その仕組みと思想を明らかにする。
公的救貧がどのように制度化され、国家が生活保障に関わるようになったのかを、
歴史的背景や具体的制度改革を通して解説。第一次世界大戦を契機とした福祉国家の萌芽、
ハルツ?改革や近年の「市民手当」導入など、現代にもつながる重要な転換点を網羅して記述。
最低生活保障を「働くこと」と切り離さずに考えるドイツの社会保障の特徴を理解することで、
日本の制度を考えるための示唆も与える。
社会福祉・社会政策に関心をもつ方へ、歴史と現実を結びつけて学べる貴重な一冊。
長年、社会福祉・社会保障、ドイツの社会保障制度を研究してきた著者の集大成。
【目次】
はしがき
第1部 救貧扶助の形成
第1章 貧民救済の制度化と救貧行政
はじめに
1 中・近世紀の救貧論理と救貧改革の始まり
2 プロイセン一般ラント法と救貧行政
(1) 法の概要 / (2) 貧民救済の公的責任と実施機関 / (3) 救貧施設
3 救貧行政の基本的枠組み
(1) 1842年救助籍制度と移動の自由 / (2) 1867年「移動の自由法」と1870年「扶助籍法」
おわりに
第2章 都市救貧制度の形成
はじめに
1 都市国家ハンブルクの救貧制度と愛国協会
(1) ハンブルクの救貧行政 / (2) 愛国協会と救貧事業 / (3) 信仰覚醒運動と慈善
2 エルバーフェルト制度
(1) 貧困問題の拡大と救貧行政 / (2) エルバーフェルト制度の基本思想と特徴
/ (3) 「人から人への援助」の限界
3 ベルリンの救貧制度
(1) 都市条令と救貧行政 / (2) 救貧事業概観
おわりに
第3章 ドイツ帝政時代の社会改革の動向と学術化
はじめに
1 産業社会の形成と社会・文化的アンビバレンス
2 社会改革の取組みと新しい路線
3 社会改革の『学術化』とその展開
4 社会改革的組織体の形成とその活動
おわりに
第4章 公的救貧の再編・専門分化
はじめに
1 公的救貧の再編
(1) エルバーフェルト制度の修正 / (2) シュヴァンダ―改革とシュトラスブルク制度
2 公的救貧の処遇
3 扶助の専門分化
(1) 市町村による扶助の発展と限界 / (2) 医療扶助 / (3) 児童扶助 / (4) 住宅扶助
/ (5) 失業者扶助
おわりに
第5章 慈善事業の組織化と合理化・調整
はじめに
1 慈善事業の組織化―公私扶助協会の設置
2 調整の担い手―民間扶助センター
(1) フランクフルトの「民間扶助センター」 / (2) ベルリンの「民間扶助センター」
3 慈善事業と公的救貧の関係と調整
おわりに
第6章 女性運動の展開と社会的職業の誕生
はじめに
1 女性新聞の発行とADF
2 ドイツ女性団体連合の「穏健派」の取組み
3 母性教育学
4 ザロモンと社会的労働
おわりに
第2部 国家的扶助の嚆矢と変容
第7章 第一次世界大戦期における扶助の発展―ドイツの国家的福祉事業の始まり
はじめに
1 戦争が経済と社会にもたらした影響
2 戦時扶助と戦時福祉事業
3 扶助体系



