出版社内容情報
理系教育と国際教育の隔たりが課題となる日本で、
本書は、高校生による「国際共同研究」の実践を軸に、科学教育の国際化がもたらす学びの可能性を描き出す。
挑戦と試行錯誤を重ねた研究プロジェクトの歩み、多文化間共修が生む高校生の成長、
海外との科学教育の違いから見える協働の力、さらにオンライン会議や英語教育の新しい方向性まで、
取り組みの研究成果と課題を多角的に整理しながら、紹介する。
グローバル理系人材育成の実践的なヒントが詰まった一冊。
【執筆者】
*田中 博(たなか ひろし)
堀江 未来(ほりえ みき)
Liang Xiaoxian(りあん しやおしえん)
東 侑希(あずま ゆうき)
半田 亨(はんだ とおる)
武田 菜々子(たけだ ななこ)
(執筆順,*は編著者)
【目次】
はじめに
第1章 高校生による国際共同研究の実践
第1節 国際共同研究への挑戦
1.国際科学交流の始動 / 2.国際共同研究への挑戦と失敗
/ 3.新たな挑戦と国際共同研究の成果への確信
第2節 国際共同研究の広がりを目指して
1.科学技術人材育成重点枠での研究開発 / 2.SSH先導的改革期で目指した「国際共同研究」
/ 3.コロナ禍で失った時間と,得たもの / 4.SSH先導的改革期における「国際共同研究」の発展
第3節 国際共同研究プロジェクト(ICRP)
1.プロジェクトの概要 / 2.プロジェクトの成果 / 3.プロジェクトの課題
第2章 多文化間共修としての国際共同研究
-高校生の学びと成長を生むプロセス
第1節 多文化間共修論からとらえる国際共同研究
1.本章のねらい / 2.多文化間共修の視点 / 3.インタビュー調査の概要
第2節 高校生は国際共同研究体験を通してどのように成長したか
1.「『うまくいかない経験』を学びの機会としてとらえられるようになった」
/ 2.「英語を正しく使うことを超える工夫ができるようになった」
/ 3.「自ら率先して行動することができるようになった」
/ 4.「状況をよく観察し,臨機応変に対応できるようになった」
第3節 国際共同研究を通じて高校生の成長を促すために
1.お互いの姿から学び合い,その気づきを言語化して伝えあう機会を設けること
2.プロセスを振り返り,気づきを得,次の行動につなげる機会があること
3.自主性を発揮できる環境であること
4.オンラインと対面の両方の機会が効果的に組み合わされていること
5.必要に応じて専門知識が得られたり,施設設備が使えること
第4節 これから国際共同研究に挑戦しようとする高校生へ
1.「やってみることが大事!失敗を恐れず挑戦してみよう」
2.「英語力はあまり心配しなくても大丈夫」
3.「チームメイトと将来にわたって成長を応援しあう関係ができることを楽しみにしてほしい」
4.さいごに
第3章 日本の科学教育と海外の科学教育
第1節 科学教育の共通性と多様性─国際共同研究が映し出す「違い」と「つながり」
1.科学に「国境はない」という理念
/ 2.「不思議」を出発点にした学び─子どもたちの科学との出会い
/ 3.科学教育に見られる国・地域ごとの「違い」
/ 4.国際共同研究で見えてくる教育文化の差
/ 5.制度や教育観の違いが生む多様性
/ 6.多様性に触れることがもたらす教育的意義
/ 7.「 誰かとともに探究する科学」への変容
第2節 探究活動と国際共同研究の接点─教育課程を越える学び
目次
第1章 高校生による国際共同研究の実践
第2章 多文化間共修としての国際共同研究 高校生の学びと成長を生むプロセス
第3章 日本の科学教育と海外の科学教育
第4章 オンライン会議に求められる力 より効果的に伝えるために
第5章 高校生の国際共同研究を支える英語力 Mediationを中心にした新しい英語教育の方向性
第6章 科学教育の今後―まとめに代えて
著者等紹介
田中博[タナカヒロシ]
立命館大学大学院教職研究科准教授。1983年大阪大学大学院理学研究科にて修士号取得。同年、立命館中学校・高等学校教諭。2008年同校校長。2013年学校法人立命館一貫教育部部付部長。2017年より現職。2002年「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」事業において初年度から研究開発に携わり、国際科学教育の発展に尽力。現在、教職大学院において、「国際教育」「カリキュラムデザイン」「数学教育」等を担当
堀江未来[ホリエミキ]
立命館大学グローバル教養学部教授。名古屋大学教育学部在学中に交換留学生として中国・南京大学へ1年間留学。1995年名古屋大学大学院教育学研究科において修士号、2003年アメリカ・ミネソタ大学において博士号(教育政策研究・国際教育政策)取得。南山大学、名古屋大学を経て2009年立命館大学国際教育推進機構に着任。2017‐2020年度立命館小学校・中学校・高等学校代表校長、2021‐2023年度立命館小学校校長。BRIDGE Institute代表。2023年度より現職。現在、学部長
りあん,しやおしえん[リアン,シヤオシエン] [Liang,Xiaoxian]
学部在学中に立命館大学OIC総合研究機構専門研究員。2025年に立命館大学大学院にて博士号(国際関係学)を取得。学際的な視点から異文化間の課題を探究し、多文化社会に向けた教育・文化・社会実践の理論的考察と実証研究を進める。2024年より、多文化間共修プログラムの運営と研究に携わり、異なる文化背景を持つ学生の学び合いを支える教育手法の開発に取り組んでいる
東侑希[アズマユウキ]
立命館高等学校卒業の後、立命館大学大学院国際関係研究科 修士課程在籍。学部在学中にスウェーデン・ルンド大学へ交換留学。2024‐2025年にはダブルマスターディグリープログラムによりアメリカン大学(American University)で修士(国際サービス)を取得。教育における異文化間コミュニケーションとDEIを主題に、心理的安全性と学習環境デザインに関する研究に従事。多文化共修プログラムの運営や教育支援を通じ、異文化背景をもつ学習者の相互理解と協働を促す手法開発に取り組んでいる
松浦紀之[マツウラノリユキ]
愛媛大学教育学部講師。2006年大阪大学大学院理学研究科博士後期課程修了。博士(理学)。同年より大阪府立千里高等学校教諭。2014年同校首席。2017年奈良女子大学附属中等教育学校教諭。2023年立命館中学校・高等学校教諭。勤務校3校にてSSH研究開発に携わる。2025年より現職。2025年日本化学会「化学教育有功賞」受賞。現在、大学学部及び教職大学院において「理科教育」「化学」「課題研究」等を担当
半田亨[ハンダトオル]
早稲田大学本庄高等学院教諭。早稲田大学工学部卒業後、1987年より早稲田大学本庄高等学院教諭。2003年より情報科に移る。2002年第一期SSH指定時より同校SSH委員長(SSH指定校は2017年度まで)。SEES(2011年度)、WASESS(2018年度)などの国際科学交流プログラムを実施。プレゼンテーション教育やデータサイエンス教育にも取り組んでいる。2020年度より学院長
武田菜々子[タケダナナコ]
立命館中学校・高等学校教諭。2000年The University of Warwickにて修士号取得。2005年より立命館中学校高等学校教諭。SSHの初期から国際科学教育の研究開発に携わる。国際サイエンス・フェアにおける課題研究の英語での発表や質疑応答に対応する生徒を育成するための科学英語の授業開発を行う。Japan Super Science Fairにおいては生徒の企画、運営への参画によって成長を育むシステムを構築。現在、同校のSSH推進機構長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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