内容説明
「仏教ソーシャルワークの探求」に焦点を当てた当研究シリーズは、淑徳大学アジア国際社会福祉研究所でコーディネートする国際共同研究プロジェクトの成果です。この研究は、文部科学省の私立大学戦略的研究基盤形成支援事業の一環として2015年から2020年まで行われ、アジアの仏教国の寺院や仏教徒によるソーシャルワークの活動を明らかにすることを目的としてきました。対象の国と地域は、ブータン、カンボジア、中国、ラオス、モンゴル、ミャンマー、ネパール、韓国、スリランカ、台湾、タイ、そしてベトナムです。すべての対象地域では、現地のカウンターパートと手を組み、アジア各国の研究者と実践者と共に仏教ソーシャルワークの新たな研究基盤をつくることを願いながら、共同研究を進めてきました。本書は、アジアの仏教ソーシャルワークの全体像というモザイクの一コマに過ぎませんが、一国における仏教ソーシャルワークを明らかにしています。研究シリーズ全体は、仏教ソーシャルワークそのものの体系化を手助けするとともに、仏教ソーシャルワークの実践と理論を学界に紹介することを目指しています。
目次
第1部 韓国(韓国における仏教とソーシャルワーク―仏教ソーシャルワークの探求;圓佛教とエコスピリチュアルなソーシャルワーク)
第2部 日本(日本における仏教ソーシャルワークの歴史的な展開;ホームレス支援と仏教者―ひとさじの会の活動とその理念;東日本大震災における日本仏教の果たした役割に関する記録―関連する「4つの調査」結果からの一考察;東日本大震災を契機とした、地域における寺院、僧侶による仏教ソーシャルワーク事例)