目次
第1部 子どもと家族(家族と子どもの発達)
第2部 子どもをめぐる諸問題(母親の育児不安;父親の育児参加と育児観;父親の不在;しつけをめぐる混乱;虐待のメカニズム;ひとり親家族の子どもたち;子どもにとっての離婚)
第3部 親の問題(親になる過程;今どきの親たち;親たちの不安と戸惑い)
著者等紹介
住田正樹[スミダマサキ]
1944年兵庫県に生まれる。慶應義塾大学文学部卒業(社会学専攻)。東京大学大学院教育学研究科博士課程中退(教育社会学専攻)。香川大学助手、講師、助教授、九州大学助教授を経て、1991年九州大学教育学部教授。2000年九州大学大学院人間環境学研究院教授。現在、放送大学教授・九州大学名誉教授・教育学博士。専攻は教育社会学・発達社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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katoyann
15
2010年刊。教育社会学及び家族社会学の研究者たちが少子化が進む現代社会の家族の様相を分析している。住田正樹は、パーソンズの「家族の社会的機能」論を用いて、父親不在の傾向は、父親の役割遂行を通した子どもの社会化機能が失われたことを意味すると指摘している。やや分析枠組みが古いが、少子化の中で一子豪華主義と言って、幼少期から子どもを学習塾に通わせる傾向について、学歴偏重主義を内面化した親による子どもの管理・統制の強化であり、家族の社会化機能の障害だと批判している。子どもの生きづらさを考えるヒントが分かる。2024/01/25