内容説明
ドルに替わるパワーの出現が困難だとすると世界はナショナリズムの台頭ないしブロック経済化という状況に陥るかもしれない。そうした可能性を解消できるほどに国際的な協調体制が成熟しているのか否かという問いも含めて、国際通貨体制を巡る議論をできる限り正確に理解しておかなければならない。本書は、ドル基軸通貨体制の意味を理解するための道筋を提供するだけではなく、このような問題意識に基づいて基軸通貨を巡る論点を総括し、ドルの行方とともに国際金融システム安定化に向けた将来的な課題を検討する。
目次
第1部 基礎編(基軸通貨とは何か;国際通貨・基軸通貨はどのように発生するのか)
第2部 歴史編(基軸通貨の興亡)
第3部 展望編(基軸通貨ドルへの対抗勢力;グローバル資本主義の展開とドル基軸体制)
おわりに―国際金融システム安定のための課題
著者等紹介
根本忠宣[ネモトタダノブ]
1964年生まれ慶応義塾大学卒、中央大学大学院修了(商学、国際金融論専攻)。富士銀行、三和総合研究所(現UFJ総研)、国士舘大学政経学部助教授を経て2001年4月より中央大学商学部助教授
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