内容説明
情報公開と官庁情報や資料のかかわりに着目するという一貫した方法意識をもつ、個別性と総合性、具体性と抽象性をあわせもった研究書。電子ネットワーク時代の情報や資料をみすえたもので、今後十二分にその方法を他の研究に応用できる。1巻は、プロレゴメナと1編および補論から成り、2巻では、第2編として出版物組入制度を扱う。
目次
1巻(PROLEGOMENA(序論)―基礎と周辺のリーディング的視点・論点(情報・資料・メディア;新世紀ミレニアムのパラダイム)
第1編 官庁資料の公開―情報利用の民主化と中井正一(資料とは何か―官庁資料と他の資料との関わりを軸に;官庁資料論の方法論的考察;官僚制度と官庁資料―中井正一の出版論と図書館論の間隙から;官庁資料と情報メディアの電子化―中井正一の「媒介者」と現代;資料としての本―「媒介者」の権力性;電子化にともなう情報媒体と資料の変容)
補論 ドイツの官庁刊行物―教育学術省関係を中心に)
2巻(近代国家と納入制度―国際機関による調整の意義;出版物納入制度の根拠法と理念型―文化の発展を促進させる米国著作権法上の納入制度;出版物納入制度の歴史―3つの理念型からみて;国立国会図書館法の納入規定の構造;立法者意思の探究―立法過程と母法から;納入法理としての著作権―日米法文化の相違;米国法からみた日本の出版物納入制度―権利と民主制の充実のために;出版物納入法制の国際比較―21世紀のための制度設計;電子情報の納入制度の設計―日本法の分析と論点の提示)
著者等紹介
佐藤隆司[サトウタカシ]
上智大学経済学部卒業。一橋大学図書館に勤務(1965-1968年)。この間、官庁資料、特に国連刊行物の組織化の実務を経験する。図書館短期大学助手(1969年)等を経て1985年より図書館情報大学教授。学術情報の生産、流通に関わる制度、機関がいかに生まれ成長したかを、世界の主要各国の歴史において比較検証してきた。論文「わが国における専門辞書の成立」は1993年、日本出版学会賞を受賞した
大庭治夫[オオバハルオ]
早稲田大学大学院博士課程修了、ルール大学ボッフム校博士課程修了(Ph.D.取得)。国士館大学助教授(1978年)、図書館情報大学助教授(1982年)を経て1988年より同教授。つくば市総合計画審議会委員として官庁資料の製作過程に関与した。また土浦市情報公開制度審査会委員長、守谷町情報公開制度審査会委員長として情報公開の実務に携わる
後藤嘉宏[ゴトウヨシヒロ]
東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。1992年より地域開発機構研究員として、都市計画等の官庁資料の作成補助業務に携わる。1995年より図書館情報大学助手。官庁資料の組織化の問題を中井正一のコミュニケーション思想との関わりで研究する。その関連で情報と資料の関わり一般の研究にも関心を広げている
原秀成[ハラヒデシゲ]
東京大学法学部を卒業し、同大学院社会学研究科で学ぶ。現在、図書館情報の大学院で情報著作権法論、学部で知的財産権論、出版流通論、出版技術論を講ずる。米国イエール大学客員研究員、国立国会図書館委嘱研究員、国際日本文化研究センター共同研究員などを歴任し、哲学的な視点から電子情報の未来について、国内外で積極的な提言をする
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