内容説明
本書の対象は、小川利夫氏の時期区分にいう近代日本社会教育思想の「萌芽期」にあたる。本書はその「萌芽期」における社会教育思想の本流におさまりきらぬ「傍流」、あるいは「教育」的意味の「歴史的限定」をはみ出すいわば「広義」の社会教育思想の探索を試みたものである。
目次
第1章 「明六社」啓蒙思想の諸相―四つの論争をめぐって
第2章 西村茂樹の国民形成論―『徳学講義』を中心に
第3章 「虚想」の骨格―敬宇・中村正直の国民形成論
第4章 福沢諭吉―啓蒙思想の振幅
第5章 国家の構想と「人民」の創出―民権派の所論を中心に
第6章 徳富蘇峰と堺利彦―家庭・婦人論の輪郭―『家庭雑誌』の所論を中心に
第7章 「自治民育」の思想的重層―井上友一と山崎延吉を中心に