内容説明
「社会派教師」とは著者の造語で、「差別や不平等や格差といった社会問題に関心をもち、教育の力によってそれらを克服し、よりよい社会を築いていこうとする意志をもった」教師である。種々の教育格差が拡大する今こそ社会派教師が求められる。
目次
第1章 仕事を選ぶ
第2章 教師という仕事
第3章 社会派教師とは
第4章 教育問題の歴史を振り返る
第5章 教育格差のいま
第6章 公正な教育を求めて
第7章 教師になる
第8章 教師として成長する
著者等紹介
志水宏吉[シミズコウキチ]
1959年、兵庫県生まれ。教育学博士。大阪教育大学、東京大学などを経て、大阪大学大学院人間科学研究科教授。専門は、教育社会学・学校臨床学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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りょうみや
26
志水氏の教育社会学の本はよく読む。本書は氏が身近な範囲で社会を変える、具体的には教育格差を縮める、しんどい子を底上げする「公正」な教師像を描く。著者の本は個人的体験がふんだんに盛り込まれ学術内容でも分かりやすく読める。今の教員養成課程が心理学に重点を置きすぎており、社会学の要素が足りない問題提起もされている。本書はもちろん教師向けに書かれた内容。門外漢の私が読んで少し申し訳ない。だが本書のいう社会派、そして公正を目指す姿勢は教師の前に一市民としても大事だと思う。2021/12/28
あべし
4
教師の底力とは、「社会派教師」に近づくこと。「教育格差」を理解し、その差を縮めようと努力をすること。この2点が、主な主張のように思いました。 教育の出口は人によって、高卒や大卒などバラバラなのに、入り口は、みんな一緒。入学の時点で、子どもたちの間には差が生まれています。ここでいかに子どもたちに力をつけ、「格差」を縮めていくことができるかどうかが大切だと学びました。 私たちは学び続けることをやめてはいけないです。子どもたちや教師の「つながりの力」も信じていきたいです。しんどい子を救うのです。2022/08/28
おサゲっち
3
教育心理学に重点が置かれている教員養成の現状。一人の児童生徒に焦点を当て教育していくことに異論は無いが、社会構造への視野を得ることの重要性と説いている。今の学校教育は格差を再認識させるための学校であり、格差の拡大やふたこぶらくだ化した学力の解消は厳しい。 そうしたことへの是正のためにも「社会派教師」への変貌や視野の獲得を説いている。社会構造への目線や格差克服への実践家が求められている。2023/01/06
小僧
1
社会派教師を目指そう2021/06/11