内容説明
「集団的自衛権」の行使容認に続いて「安保三文書」の閣議決定など、一内閣の判断で憲法解釈がつぎつぎと変えられていく今日、民主主義社会の原点である立憲主義を立て直すために、気鋭の憲法学者が熱い思いを込めてその本質を論じた好著。立憲主義の考え方、日本国憲法の三原理との関係、そして憲法改正を考えるうえで必要なことがらが学べる、学習会にもお薦めの一冊。
目次
第1章 立憲主義とは何か―その過去、現在、将来(欧米における立憲主義―その歴史と現在;日本における立憲主義;おわりに―立憲主義をめぐる最近の議論と今後の展望)
第2章 国民主権・基本的人権の尊重・平和主義(歴史的概念としての立憲主義;憲法の基本原理;立憲主義の危機)
第3章 憲法改正(憲法改正とは;権力に対するコントロールという点からみた憲法改正;各国の憲法改正はどのような内容か;日本における実際の改憲論と権力に対するコントロール;「国民投票で決着」と権力に対するコントロール(民主主義と憲法改正)
本章のまとめ)
著者等紹介
石川裕一郎[イシカワユウイチロウ]
1967年生まれ、聖学院大学教授
永山茂樹[ナガヤマシゲキ]
1960年生まれ、東海大学教授
多田一路[タダイチロウ]
1967年生まれ、立命館大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Takao
1
2024年10月1日発行(初版)。10月初めの神奈川憲法アカデミアのシンポジウムで求めた。「安保法制」の時に「立憲主義」に光があたったが、大学で憲法を学んだ際も特別に意識したことはなかったような気がする。本書は、3人の憲法学者が「立憲主義とは何か〜その過去、現在、将来」石川裕一郎、「国民主権・基本的人権の尊重・平和主義」永山茂樹、「憲法改正」多田一路、を論じている。普通の憲法の「教科書」(読まなくなって久しいが)では触れられていない論点も多く、このまま本棚にしまってしまうのは惜しい。学習解答で活用したい。2024/12/04