目次
第1章 徹底検証 新型コロナウイルス緊急事態(新型コロナウイルス感染症の感染拡大状況と本章の課題;「緊急事態宣言」前夜―感染拡大の推移;「緊急事態宣言」の仕組み―特措法上の発動要件や法的効果など;「緊急事態宣言」発出とその後の推移;「緊急事態宣言」下での混乱―営業の自由と財産権、個人情報とプライバシー;「緊急事態宣言」と経済危機―前例のない規模の補正予算と予備費計上;特措法改正への向き合い方―国会による議論の封じ込めも;もう一つの緊急事態宣言―「原子力緊急事態宣言」;新型コロナウイルス緊急事態宣言への多くの疑問と教訓)
第2章 大規模災害と緊急事態条項―自民党たたき台素案の検討(緊急事態条項(国家緊急権)とは何か
立憲主義と憲法改正の関係
自民党たたき台素案の問題点)
第3章 緊急事態条項―その歴史と自民党改憲草案の検討(改憲史のなかで緊急事態条項を読む;緊急事態条項はどう運用されてきたか;緊急事態宣言の手続―だれがどういうときにどう宣言をするのか;緊急事態宣言の効果―総理大臣の独裁はなにをもたらすか;戦争をしない国であるために)
著者等紹介
右崎正博[ウザキマサヒロ]
獨協大学名誉教授
大江京子[オオエキョウコ]
弁護士・東京東部法律事務所。改憲問題対策法律家6団体連絡会事務局長
永山茂樹[ナガヤマシゲキ]
東海大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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y_u
4
今回のコロナの流行で、憲法に緊急事態条項を追記する議論が盛り上がっているが、当著では新型インフルエンザ特措法がそれなりに私権制限や指揮命令系統の確立に対して強制力を発揮しており、不要であると結論付けている。また、大災害においても、大規模地震対策特別措置法が制定されており、この法運用がうまくいくかどうかの方が課題であるとしている。いずれにしても、日本では、マスク着用要請があれば、皆従っており、感染症対策を起点とした憲法改正は不要だ。一方、紛争や戦争が発生した場合、どうすべきかは今後議論を深めるべきだと思う。2022/02/06