内容説明
「雇用類似」という働き方がある。「類似」というなら賃金も労働時間も社会保険も労働者に準じるのかといえば、「事業主」扱いされて残業代もなく労災も自己責任になるという。では事業主なら対等の商取引のルールが保障されるかといえば、発注元の指図に従うだけだという。本書では、「雇用によらない働き方」の実態を紹介し、国際的視野に立った運動を提起する。
目次
第1部 名ばかり個人事業主(事故と隣あわせの料理配達、補償は仲間の切実な要求―アプリの指示で街中を走るウーバーイーツ(ウーバーイーツユニオン委員長・前葉富雄)
「社員」が経費の赤字を会社に支払う給料日!―丸八グループによる個人請負の実態(全労連・全国一般丸八真綿埼玉支部書記長・高橋正規)
税金が投入されている大企業の社会的責任を問う―電気計器工事作業員のたたかい(全労連・全国一般東京地方本部中央執行委員長・森治美)
使い切った電池を入れ替えるような労務政策―「雇用によらないホテル副支配人」を体験して(スーパーホテル店舗副支配人・渡邉亜佐美)
不自由だけどフリーランス?―場所にも時間にも外見にも拘束される俳優(協同組合・日本俳優連合国際部長・森崎めぐみ)
会社にお金を払って仕事を得る業務委託の指導者たち―ヨガスタジオの認定制度と働き方(ヨガインストラクター・吉田明代)
ブラック企業の「裏ノウハウ」に利用されるオーナー制度―クリーニング業界に広がる取次営業契約(NPO邦人クリーニング・カスタマーズサポート代表・鈴木和幸)
長時間労働・低賃金のスキームとしての業務委託契約―美容師・理容師の働き方と今後の運動(首都圏青年ユニオン委員長・原田仁希)
「二四時間」でも「時短営業」でも苦しいコンビニエンス―フランチャイズ・オーナーの叫び(コンビニ加盟店ユニオン執行委員長・酒井孝典)
契約内容の一方的な不利益変更に泣かされる―インターネット通販出店者の従属性(楽天ユニオン代表・勝又勇輝))
第2部 「雇用によらない働き方」に国際基準で立ち向かう(「労働者」概念と労働法の適用対象;「雇用によらない働かせ方」の拡大;国際基準を踏まえた労働者性判断枠組み変更の必要性;プラットフォーム労働拡大と法規制の動向;運動の課題)
著者等紹介
脇田滋[ワキタシゲル]
1948年大阪市生まれ。龍谷大学名誉教授(労働法・社会保障法)。「非正規労働者の権利実現全国会議」共同代表。「NPO法人働き方ASU‐NET」共同代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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