出版社内容情報
“ランドスケープの父”の生涯と設計思想
ランドスケープアーキテクトの父と称されたフレデリック・ロー・オームステッドは船員、農場経営、奴隷解放のジャーナリスト等、職を転々とした後、セントラルパークの仕事に出会った。
彼が目指したのは、誰もがアクセスでき、心身の健康を保てる都市公園。権力争いや財務に翻弄されながらも本質は守り抜き、今日まで続く公園をつくりあげた。
その後、都市公園のみならずグリーンインフラ、国立公園の基礎となる実践を重ね、思想とデザインを深化させていく。
公共空間の価値が問いなおされている今、先駆者の一生と哲学を描いた本書は、まちづくり関係者の必読書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヘラジカ
54
まるで興味のない分野の名も知らなかった男の伝記本。二段組500頁超えに屈せず最後まで読み通すことが出来た。これも自分の読書レベルが上がった結果だと誇ることにしよう。とは言え、読むことが決して苦痛だったわけではない。ランドスケープ・アーキテクトを知るとシムシティ系のゲームが好きな自分にとっては興味深い部分も多く、一人の人間が一から(親の愛情と財力に恵まれていたとは言え)業績を積み上げ、偉人のひとりとして名を残すに至る過程も読み応えがあった。「故きを温ね、新しきを知る」ためにその手の学問で重宝される書だろう。2022/12/21
takao
3
ランドスケープの父”の生涯と哲学2024/11/12
ちや
2
とても分厚いけど読みごたえがある。2023/04/11
Hachi
0
おもしろかったです。私が受け取ったメッセージは主に2つ。一つは先を見通すことの大切さ。オームステッドは目先の利益ではなく、100年後を見据えた計画を立て、それが後々の景観、文化、心の豊かさなど、都市の価値につながります。二つ目は経験がつながるんだということ。オームステッドは船乗りや農業、奴隷制度反対、南北戦争の軍、医療、作家、鉱山開発などなど、さまざまな経験をし、それがつながっていきます。経験は無駄ではないんだなと思いました。専門外でもおもしろかったですが、建築や都市計画に関わる人には特にお勧めです。2024/12/09