出版社内容情報
低湿地に暮らすオランダ人は環境意識が高く、フレキシブルな思考力とスピーディな実行力に長けている。2000年代以降、建築家やクリエイター、市民らが始めたサーキュラー・エコノミー、リジェネラティブ・デザインの先進地では、個人のアイデアがどのように人を動かし街を変えているのか。現地建築家が紹介するプロジェクト集。
【目次】
はじめに
1章 コンパクトで寛容な都市
1 都市の成長をコントロールする
アムステルダムの街の構成
開発が盛んな注目のエリア
都市の骨格をつくる要素
サステナブルな経済を実現する都市
平らでコンパクトな自転車都市
2 低湿な土壌が生んだボトムアップ気質
干拓地単位で支えあうコミュニティ
干拓の歴史が生んだ高い環境意識
住宅不足が起こしたスクウォッタリング(不法占拠)
経済危機で生まれたコレクティブなイニシアティブ
3 多国籍な人種と文化が交錯する街
移民に寛容な街
移民の増加とソーシャルハウスの供給
4 イノベーションが生まれる風土
グレーゾーンを容認する政策デザイン
教育で目指すゴール
議論好きな人々の合意形成の手法
オランダ人の働き方
クリエイティブ産業を積極的に支援
デザインのプロトタイプを重視する見本市
2章 サステナブルなアプローチで注目される開発エリア
1 デ・クーベルとスホーンスヒップ:北部の再開発の起点
未開発で安価なエリアだったアムステルダム・ノールド
デ・クーベル:造船所跡を再開発した循環型社会の実験地区
スホーンスヒップ:ヨーロッパで最もサステナブルな水上居住区
Space&Matterが実践するリビングラボ
〈INTERVIEW〉サシャ・グラデス(Space&Matter共同創設者)
2 NDSM:元造船所をクリエイティブエリアに再生
北部の工業地帯の荒廃から大型都市開発へ
NDSM-Loods:コンテナを積み重ねたアートビレッジ
3 ベルマミーア:若者を呼び込む集合住宅地の再開発
近代建築の理想を体現した巨大な集合住宅群の改善
クライブルク:入居者がDIYでリノベーションする格安の集合住宅
ヘーステルフェルド:コンテナハウスをクリエイティブコミュニティの拠点に
4 マリーナテライン:元海軍基地に展開するリビングラボ
市街地の海軍基地跡をリビングラボとして活用
アムステルダム・シティ・スイム:運河を泳いで行う募金活動
5 街をサステナブルにするスモールプロジェクト
ミミズが廃棄物を分解して堆肥にするオブジェ
住宅街のガーデニング
雑草の使い方を伝える雑草の番人
こうもりの巣を建材に
ゲーム感覚でプラごみを清掃
3章 サーキュラー・エコノミーの実践
1 2050年に向けたサーキュラー・エコノミー戦略
サーキュラー・エコノミーとは
個人、企業、自治体、国、マルチステークホルダーで取り組む
経済成長につながる産業として輸出を視野に
アムステルダム・インスティチュート:行政と大学共創のプラットフォーム
2 サーキュラーな場のデザイン
スタジ