出版社内容情報
毎回100万人前後が離島などの会場に来場し100億円規模の経済波及効果をあげる芸術祭。だが、それだけではない。地域資源の再発見、誇りの醸成を促し、交流と活動の連鎖から、小商いや移住・定住の増加など、地域の変化が起きている。その企画・運営、とりわけ行政と民間・住民の関わり方を読みとき成功の秘訣を示す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぴよぴよーーーーー
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数ある地域創生型国際芸術祭の中でも瀬戸内に焦点を当て、実現までの地域課題的な背景や芸術祭が地域に与えた影響を語っている。四国は閉じた環境なので一度芸術祭の習慣ができれば大きく後退することもないだろうが、芸術祭習慣がきっかけで土地に根付く人々が増え、後の世代へと展開してゆくならば十分ペイできる結果だと感じた。今後芸術祭開催等に携わりたい人からしても組織体制・ガバナンスの取り方など参考になるのではないか2025/05/06
mikan
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瀬戸内国際芸術祭が与えた影響を、主に地域振興の観点から解説した本。芸術祭が掲げる「海の復権」というテーマには「昔は産業の要であり大切にされてきた海が、現代では軽視されている、そこを現代アートの力で取り戻す」という願いが込められていることを初めて知った。確かに舞台となっている島々では、そのままだと負の遺産とでも言われそうなものが、現代アートの力で変貌し、多くの人を惹きつけている事例が少なくない。こういった事情を知っていると、島々やそこにある作品郡を見る視点が広がりそうだと思った。2025/01/26