出版社内容情報
資本主義がもたらした限りない欲望の追求が、格差や分断を際立たせているが、地域の動きに着目すると、そうしたひずみを是正する動きもみえてくる。人口減少時代、定常型の経済が求められるなか、従来の生産サイドの議論だけでなく、働き方、暮らし方など生活者視点から地域の社会・経済・文化を捉えなおすこと、言い換えれば、生産から組み立てられた地域経済・政策の捉え方を生活者からの組み立てにリデザインすることが求められている。
その手がかりとして、地域経済の発展と衰退はどのようにして起きるのか、まずジェイン・ジェイコブズの経済とまちづくりをみる双眼的な視点に着目し、現代につうじる視座を読み解いていくところから始めよう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
お抹茶
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理論と実例を含める。社会や経済の変動に合わせ柔軟に需要を創造しうる都市や地域が生き残り,輸入代替のみに頼る経済は停滞や衰退の危機を孕む。コロナ禍を経て,個人の働き方,新しい自営的就労の台頭,共助の器としてのコミュニティや地域経済のありようが変容するのではないか。分断や格差を是正するための場としてのコミュニティが必要とされ,内発的な主体性を創出するマネジメントの役割が「私」だけでなく「公」「共」の分野でも高まっている。中心都市から離れた条件不利地域でも,情報通信業の田園回帰が見られる。2025/01/24
hide10
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・手工業の初期は地域内分業→生産効率化(大量生産)による 生産機能の地域外転出による機能の空洞化(=空き家増加) ⇛歴史を重ねた建物の価値が見直され、生産から文化の拠点に (イタリアのトリノを事例に解説。フィアットの拠点) ・人間の消費は目的の実現よりも、実現過程に関心を持つ行為 ↔ 生産とは効率的な目的実現を重視する行為(山崎正和) ・移住者の受け入れに際し、移住者の関わりシロ(隙)と共感 できるポイントの設定が重要。移住者個人のライフスタイルや ライフワークが地域と合致することが理想的。2023/04/17