内容説明
時代遅れの法規制をアップデートするために、グローバルな都市間競争を勝ち抜くために、風営法改正、ナイトタイムエコノミー政策を実現したルールメイカーズによる戦略・手法。
目次
はじめに―イノベーションとルールメイキング
1章 新しいルールメイキング―70年前に制定された風営法の改正
2章 プレイヤーを組織する―多様なステークホルダーを巻き込むプロセス
3章 ルールを変える―規制緩和を阻む壁を突破する
4章 ルールを使う―ナイトタイムエコノミー政策の立案
5章 ネットワークをつくる―海外のナイトタイムエコノミーの実践
6章 社会に実装する―観光政策の本丸へ
7章 ルールを戦略的にデザインする―法律家をアップデート
著者等紹介
齋藤貴弘[サイトウタカヒロ]
弁護士。1976年東京都生まれ。学習院大学法学部卒業。2006年に弁護士登録の後、勤務弁護士を経て、2013年に独立。2016年にニューポート法律事務所を開設。個人や法人を対象とした日常的な法律相談や訴訟業務を取り扱うとともに、近年は、風営法改正を主導するほか、ナイトタイムエコノミー議員連盟の民間アドバイザリーボードの座長、夜間の観光資源活性化に関する協議会の委員を務めるなど、各種規制緩和を含むルールメイキング、新規事業支援に注力している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちくわ
6
「ルールメイキング」、その過程においては、プレイヤーの組織化、ルールの変更、ルールを使う、ネットワークを作る、社会での実装といった様々な過程があり、それらを経て、初めて、新しい事業を遂行するためのボトルネックを除去することができる。本書においては、風営法改正に奔走した著者の具体的かつ詳細な事実が記載されており(文書には出てこない泥臭いこともたくさんあったのだと思う)、また、その際の著者の想いも文章から滲み出てきている。「ルールメイキング」に取り組もうとする方には非常に参考になると思う。非常に意欲的な一冊。2019/10/22
アルミの鉄鍋
4
★3 日本で始まったというか、意識し始めたルールメイキングの作り方。でもこの本はどちらかと言うと国内での作り方に見えるのと、国際ルールを作るという話ではないので注意。技術で勝てると思って来た日本。その間に諸外国は国際ルール、ISOなどを作り自国優位な戦略を取って来た。イノベーションが叫ばれるなか、やっとこの事に政府も気付き始めた。2019/07/22
いけちゃん
2
面白い。世の中を変えていくために、変えたい主体がどのように動いて、どのような人を巻き込んでいくのかがよくわかった。また、折衷案に甘んじて骨抜きの妥協に陥らないように注意しなければならないし、法改正を手段として最大限に目的を達成する姿勢も重要。素直にこういう仕事してみたい、けど性質上あんまり機会ないかも?2021/05/03
snzkhrak
2
仕事上の興味から選書。この時代における社会イノベーションの教科書。風営法からナイトタイムエコノミー、観光と繋がる大きなストーリーの中で、プロジェクト創造の追体験的ができワクワクする。規制緩和は、法律による保護から民間(業界団体等)の自己責任へのシフトチェンジと同義、相応の覚悟無くして狙う事は難しい。身近な例で言うと、都市計画の民間提案もそうだし、エリアマネジメントもそう。2019/06/15
そうき
1
政策ツールを用いて社会変革をもたらすための方法論を、ナイトタイムエコノミーの発展のために風営法改正を実施したことを事例に論じる。規制緩和が業界の自主規制と密接に関わるということ、そして改善された政策があくまで道具・出発点であることを認識し実社会をいかに変えていくかという点は意識したいところ。使われない制度を立案するという仕草は手段の目的化もいいところだし、それを以て何かを成し遂げたと思うことの無いよう心に留めておきたい。2021/01/13