内容説明
「デフレは本当はなかった?」「インフレ誘導の落とし穴とは?」「国債を発行するほど景気は悪化する?」など様々な疑問を、数理エコノミストが驚愕のデータと明快なロジックで解決。
目次
第1章 経済的苦難の真因―経済データはダマシに満ちている
第2章 経済の宿命―経済学者も政治家も解釈を間違え続ける
第3章 格差は成長余力―庶民は成長エンジンであり富者よりも強い
第4章 借金財政の失敗―国の借金を増やすほど景気は悪化する
第5章 経済矛盾の恐怖―借金で株価を上げても経済は低迷する
第6章 世界恐慌の真相―行き過ぎた金融緩和が国民を大損させる
第7章 軍国経済の暴挙―国民をどん底に陥れた驚愕の錬金術を暴く
第8章 経済学者の詐術―リフレ派の転倒した政策を警告する
終章 最良の成長策―99%のための幸せな経済発展に向けて
著者等紹介
逢沢明[アイザワアキラ]
数理エコノミスト。京都大学大学院博士課程修了。2013年3月、京都大学情報学研究科を定年退職。現在、国際情報学研究所理事長。工学博士。ゲーム理論を駆使する戦略情報学を得意とする。数理的手法では進化複雑系理論の新分野を開拓している。また、大量の経済データや歴史的資料などを、ビッグデータとして分析する「マクロ情報学」のわが国における命名者。官庁から科学技術政策委員等の依頼が多く、ゲーム理論を実践する政策通として信頼されている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ミッキー・ダック
18
2016年刊。数理エコノミストが、正しい経済データを示して政府発表の経済データのウソを暴き、政策支柱のリフレ理論を批判、過去の大失敗を繰り返しそうだと警告。痛快だ。日本はデフレではなく、苦しいのは給料の減少のせい。政府がインフレを目指すのは借金減らしのため。禁じ手の「日銀の国債引き受け」が異常膨張。出口戦略がないので財政破綻のリスク高い。かつては破綻を避けるために侵略戦争を採ったが、負けたので地獄。円安・株安・債券安からハイパーインフレ、デノミや預金封鎖により国民の財産が消失。同じ轍を踏む安倍政権。 2016/04/30
Lila Eule
5
目から鱗の話ばかりだった。数学的洞察の論理を理解しずらい知識不足の読み手に随分配慮してもらっている内容で良くよめた。論理の真偽のほどがわからない部分もあるが、納得感は満載だった。リフレの経済学者が理系からみると未熟な数理統計にあり、実態経済の複雑な要素を科学しきれていないとは驚きだ。クルーグマンも最後はアメリカ経済防衛の立ち位置にいるのを忘れるなと。軍国主義が資産収奪であった事もよくわかった。著者の国債危機観を伊藤隆敏の日本財政最後の選択と比べてみたい。2016/05/19
青雲空
4
うーん。もう少し詳細な失敗の歴史の説明がほしかった。2018/02/15
Mitz
4
前に著書を読んで感銘を受けた水野和夫氏絶賛の著という事で手に取った。失敗史の分析というコンセプトも、最近の自分の嗜好とよく合致するものだ。著者の事は知らなかったが、“数理エコノミスト”という肩書きが表す通り、データを活用としたロジカルな分析に定評があるよう。示されるデータは興味深いものばかりで、他の著にはない切り口に瞠目する事も少なくなかった。ただ、自分に経済・金融の知識が少ない事と、あまりに人によって主張する事が違う事で、半信半疑で読み進めた。答えのない事だから、このスタンスは間違ってはいないだろう。2016/03/21
kaz
0
「失敗史の比較分析」と言うほど突っ込んだ内容とは思わなかったが、統計数値について、つい見過ごしてしまいそうな点や騙されてしまいそうな点に関する示唆は勉強になる。 2016/11/13
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