内容説明
マクロ・カウンセリングは、伝統的なカウンセリングのパラダイムに挑戦し、カウンセラーの多面的・包括的な役割に注目した新しいカウンセリングのメタ理論です。人間の発達可能性に主眼を当て、コミュニティ・カウンセリングの幅広い活動を取り入れ、多文化カウンセリングの視点に立つものである。本書は、国際紛争(戦争)はもとより、対人的諸問題にわたる私たちをとりまくコンフリクト(紛争/葛藤)の解決方法を、平和学者ヨハン・ガルトゥングが創出したトランセンド(コンフリクト転換法)理論とマクロ・カウンセリング理論を縦糸と横糸として解説していく。“共感”“対話”“非暴力”“創造性”をキーワードに、裁判所・職場・学校などで実践されているコンフリクト転換のカウンセリング活動の具体例を紹介し、その有用性を提供する。
目次
序章 コンフリクト転換の心理学
第1章 マクロ・カウンセリングの14の活動とトランセンド法
第2章 コンフリクト転換の理論と方法:トランセンド法
第3章 家庭裁判所における紛争の解決
第4章 学校教育における和解
第5章 職場の人間関係
第6章 非暴力トレーニングとトランセンド
著者等紹介
井上孝代[イノウエタカヨ]
九州大学文学部哲学科卒業。九州大学大学院文学研究科博士課程単位満期退学(心理学専攻)。東京外国語大学留学生日本語センター教授を経て、1998年より明治学院大学心理学部教授、博士(教育心理学)。臨床心理士。スクールカウンセラー、社会福祉機関の心理カウンセラー・グループワーカー、家庭裁判所調停員、自治体の各種審議会委員、総務庁「第11回世界青年の船」指導官・カウンセラー等を経験。マクロ・カウンセリングを提唱。トランセンド研究会元会長。専門領域:カウンセリング心理学、異文化間心理学、コミュニティ心理学
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