内容説明
人間の心は、他者の心との出会いの中で育まれ、他者の心に大きな拠りどころを見出し、他者と共有する世界を生きようとする。対象物に他者と一緒に注意を向け、それを共有しようとする「共同注意」は、人間がもつ共有欲求を表現する原型的な行動である。本書は、共同注意を人間の心の発達を支える基本的な働きとして捉え、関連する心の働きや障害との連携を目指し、欧米の第一線研究者も加わった、広範な視点から編集された共同注意に関する本邦初の学術書である。
目次
共同注意の種類と発達
進化からみた共同注意
共同注意と情動
共同注意と自己感
共同注意とアタッチメント
共同注意と意図
共同注意と言語
始歩期の子どもの共同注意の発達パターン
自閉症の共同注意と指さし行動
障害のある子どもの共同注意の発達とその支援〔ほか〕
著者等紹介
大藪泰[オオヤブヤスシ]
早稲田大学大学院文学研究科博士課程退学(心理学専攻)。現在、早稲田大学文学部教授。博士(文学)。研究領域は発達心理学、乳幼児心理学
田中みどり[タナカミドリ]
お茶の水女子大学大学院博士課程単位取得退学。現在、淑徳大学社会学部教授。研究領域は発達心理学
伊藤英夫[イトウヒデオ]
早稲田大学大学院文学研究科博士課程退学(心理学専攻)。現在、広島国際大学人間環境学部教授。博士(人間科学)。研究領域は臨床発達心理学(特に自閉症)
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