内容説明
21世紀を迎え、世の中は、情報通信技術の進展がめざましい「IT時代」となりつつある。インターネットや携帯電話の普及と共に、人々の生活が飛躍的に便利になってきたその一方で、人々の人間関係やコミュニケーションのあり様が急速に変貌し、様々な弊害も明らかになってきている。現代社会に生きる人々の人間関係(対人関係)の病理、登校拒否、家庭内暴力等の家庭児童問題・教育問題の深刻化、精神病理の増加など山積する問題への取り組みが急務であろう。本書は、著者が、これまでの相談援助の実践、方法論研究、事例研究を通じて、それらの問題について臨床社会心理学、現象学的人間関係学の立場からの考察を試みたものである。
目次
第1部 IT時代の人間関係とメンタルヘルス(IT時代の人間関係;「自閉的世界」に生きる現代人;情報化社会の人間関係とメンタルヘルス―コンピュータ技術者の生きる世界)
第2部 相談援助(カウンセリング・ソーシャルワーク)の現象学(相談援助の現象学;アニメビデオ、パソコンなどにのめり込んだ青少年の対人関係の病理とその克服―登校拒否児N君の事例を通じて)
第3部 現代社会のソシオーゼ(家庭児童問題の解決をめざして)(IT時代(ハイテク時代)のソシオーゼ―現象学的臨床社会心理学による一考察
ソシオーゼとしての家庭児童問題(子育てに苦悩する母親の病理とその克服)―苦悩する母親への支援と地域における子育ての再考)
著者等紹介
小川憲治[オガワケンジ]
1947年東京に生まれる。1970年慶応義塾大学工学部卒業後、システム・エンジニアとして(株)日立製作所、(株)電通国際情報サービスに勤務。1986年立教大学大学院社会学研究科博士課程前期課程入学。1988年同課程修了(社会学修士)、同後期課程入学。1989年立教大学社会学部助手。1991年同大学大学院社会学研究科博士課程後期課程単位取得修了。同年長野大学産業社会学部社会福祉学科助教授。1996年同大学教授。現在、長野大学社会福祉学部(2002年度より)教授。臨床心理士((財)日本臨床心理士資格認定協会)。立教大学社会福祉研究所非常勤所員。専攻は臨床社会心理学(福祉心理学)、現象学的人間関係学(カウンセリング、グループアプローチ、家庭児童相談等)
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