内容説明
例えば現在、総合的な学習が叫ばれているが、その名も含めて、大正新教育時代にすでに豊富な、すぐれた実践の例があったという教育史的事実を知っているだろうか。本書は、大学での著者の教育実践を、初学者向けに、典型的な事例を豊富にあげて、わかりやすくまとめたもので、わが国の近代教育実践史への道筋を指し示すものといえよう。すなわち、第一章近代日本と学力 第二章教師の職務と要求 第三章教科書と教育方法の革新とという、三つの論考が収められているが、読者はその構成の手法から、矛盾と対立を通じた発達史としての教育史像の作り方のおもしろさと同時に、教育における歴史的身体の重要性が明確に浮き彫りされていることを感得するであろう。
目次
第1章 近代日本と学力(公教育の成立;公権力が期待した学力;日本社会の学力構造)
第2章 教師の職務と要求(学校の組織と教師の職務;教師の組織化と運動;教育労働者運動論)
第3章 教科書と教育方法の革新と(教科書の内容と制度;大正新教育の運動;抵抗と創造の教育実践)
著者等紹介
花井信[ハナイマコト]
1947年生まれ。1973年東京教育大学大学院教育学研究科博士課程中退。現在、静岡大学教育学部教授
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