内容説明
共感は、心理学者だけでなく、人類学者・社会学者・哲学者・宗教家といったいろいろな領域の人びとが関心を持つ、多面的な現象である。この問題について全体的で読みやすい、手頃な要約を、テキストよりもやや高度なものとして読者に提供することを目指したのが本書である。共感研究の歴史から始めて、この概念の定義をめぐる混乱、進化論的な起源が論じられる。中心になっているのは、近年その研究が盛んな社会/性格心理学の分野での実験や調査のデータである。特に、援助行動や攻撃行動、社会的な関係との関連が検討される。
目次
1章 共感研究の歴史とその定義
2章 共感的能力の進化的な起源
3章 共感の個人差の評定
4章 共感の個人差の源
5章 個人内的な結果:非感情的
6章 個人内的な結果:感情的
7章 愛他性と援助行動
8章 攻撃と反社会的行動
9章 社会的関係と社会的行動
10章 共感研究―これまでとこれから