内容説明
本書は、ニューファンドランドで「オールド・ハッグ」と呼ばれる現象の正体が何であるのかを、数多くの興味深い事例報告を交えて、明らかにしていく過程を描いている。著者の専門は民俗学であるが、この本は、民俗学の範囲に留まらず、精神医学、生理学、精神分析学で得られた知見をふんだんに盛り込んだ学際的な内容となっている。また、対象となっている睡眠関連現象を研究しつつ、この本全体を通して、すべての科学領域に共通する研究活動の本質に関わる重要な議論を行っており、どの領域に属する研究者にとっても学ぶべき内容を含んでいる。さらに一般の読者にとっても、飽きずに読める科学的読み物として大いに興味ある書と言える。
目次
第1章 ニューファンドランドにおけるオールド・ハッグ現象
第2章 オールド・ハッグと文化起源仮説
第3章 オールド・ハッグの現象学
第4章 オールド・ハッグの心理学的(逆)解釈
第5章 オールド・ハッグと文化