内容説明
学校教育をめぐる議論は、いつも、「人間教育」という定型的な教育物語りにいきつく。本書は、自明のようなこの教育物語りを解体・精査し、そのパラドキシカルな様相を析出する。学校を舞台とする映画、教室のなかでの特徴的な思考、無人称的な「私」が製作されていく道徳教育、さらにはカウンセリング・マインドのリスクや学校の統廃合に潜む意外な理論など、さまざまな事例をとおして、「人間教育」物語りを越えて学校文化をあらためて考える方法を提示する。
目次
1章 「人間教育」物語り
2章 日常性の喪失
3章 「私」の制作と学校
4章 カウンセリング・マインド
5章 「廃校」の論理
6章 インフォームド・コンセント
7章 カリキュラム・メーキング