内容説明
本書は、「ソーシャルワーカーの母」というべきJ.アダムズの社会福祉実践思想を探究している。彼女の実践をその生い立ちに遡り、その思想形成と遍歴を踏まえ、思想史的に分析し、社会福祉学のなかで跡づけている。また、アダムズ思想の日本における影響を1次資料を駆使して論証し、社会事業史のなかに位置づけている。
目次
序論
第1部 J.アダムズの社会福祉実践思想の形成過程(パーソナル・ヒストリーに見る援助者の意識構造の形成;クエーカー主義の影響;慈善事業から博愛事業への変遷過程 ほか)
第2部 J.アダムズの社会福祉実践思想とソーシャルワーク(J.アダムズと革新主義時代;ソーシャル・ケースワークの形成におよぼした影響;ソーシャルワークの「媒介」の起源とJ.アダムズ思想 ほか)
第3部 日本におけるJ.アダムズの社会福祉実践思想の受容と継承の過程(明治後期から大正前期におけるJ.アダムズ思想との接触と受容;1923(大正12)年6‐8月J.アダムズ来日の足跡をめぐって
大正後期から昭和初期におけるJ.アダムズ研究の展開 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆう。
16
社会福祉における人物研究の深さを学べた本でした。ハル・ハウスの創設者であり、アメリカのセツルメントのリーダーとしての顔をもつアダムズが、どのような生育歴と思想形成を得てきたのか、また社会福祉実践をどのように捉えていたのか、学ぶことができました。特に社会福祉実践において、クライエントと対等な立場に援助者があるとしていた点は重要だと思いました。著者はアダムズの人物像をあらゆる側面から捉えています。先入観や先行研究への批判的視点は、すごいと思いました。こういう研究姿勢は学ぶところが多いですね。2016/07/24
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