内容説明
本書は、ノンバーバル行動を実験的にとらえるときの方法論と、この分野がかかえている未解決の諸問題を提起するもので、二部構成にもとづいて、総論では、社会、動物、情動表出、臨床場面におけるノンバーバル行動について概観し、各論、動物の分野では、ニホンザルを例に動物の社会的行動研究の基本的パラダイムを示し、そして、各論、人間の分野では、ヒトのノンバーバル行動を構成する各要素についての興味ぶかい研究成果を問うていく。
目次
1部 総論(社会的行動とノンバーバル行動;動物のノンバーバル行動;情動の発達とノンバーバル行動;臨床場面とノンバーバル行動)
2部 各論 動物の分野(ニホンザルの子どもの遊び仲間関係―岡山県勝山集団における観察をもとに;ニホンザルにおける先天性四肢奇形個体の行動;霊長類の母子関係と行動発達―母親から子への反発性に注目して)
2部 各論 人間の分野(感情体験における顔面表出の役割―表情フィードバック仮説とごまかしの研究;表情カテゴリーの内的関係性と顔の物理的特性;表出動作の実験観察;音声による情動表出と非言語的な弁別手がかり;母親の愛着形成に感受期は存在するか―産科施設での実験的試みから;パーソナル・スペースとタッチの実験的研究;目の見えない人の空間的推論に関する実験研究;ノンバーバルコミュニケーションによる自閉症へのアプローチ―その方法論と成果)