内容説明
人間主義心理学、とくにマスロー心理学は、精神の健康性や自己実現などの問題に取り組み、教育のめざす人間像に徹底した論究を行なっている。本書は、ともすれば政治的なイデオロギーや宗教的教義に左右されがちなため、教育の実践に際してとかくその全的目標や価値に触れることを避ける傾向にある教育心理学の現状に対して、人間の科学という立場から新しい展望を切り開く。
目次
1 教育の理念と心理学―教育観と人間観を通じて
2 人間の完成と教育心理―プラトンの理論を通して
3 「かけがえがない」ということ―独自性教育の課題
4 人格の成熟
5 カウンセリングの目標
6 成長への意欲と心理
7 教師と児童・生徒の人間関係
8 人間主義心理学的考察―日本社会への一提言
9 価値心理学と人間の可能性
10 人間主義心理学の展開
11 自己実現理論における人間観と人間像
12 現代における健康・不健康―健やかに生きることを求めて
13 精神の健康性と心理臨床―登校拒否の研究を通じて