内容説明
いま、教育に必要なのは「法治」か?「徳治」か?「ゼロトレランス」と「コンプライアンス」の導入はどのような混乱をもたらしたか。道徳教育は何を成し遂げ、何を成し遂げられなかったか。しつけをめぐる問題、法やルールの教育に関する総合的アプローチも論点に加え、教育の本来のあり方と展望を語る。
目次
第1章 混乱はこうして始まった(「ゼロトレランス」は「毅然とした対応」だけでよいか;「コンプライアンス」は「法を守る」だけでよいか;この二十年で何が変わったか)
第2章 しつけと家庭・地域・学校の教育(しつけはなぜ衰退したか;子ども世界の変質;マクロな目標としての社会化の行方)
第3章 道徳教育の再構築(道徳教育で問題になっていること;構成主義的な学びの必要性;修復的アプローチへの注目)
第4章 ルールの教育をどう進めるか(関係する用語の整理;ルールの自律性と相対性;ルールからマナーへ;ルールの持つ互恵性を伝える;修復的アプローチの実際)
第5章 ルールの教育からわが国の教育を見直す(領域主義・分担主義からの脱却;「勉強」「学習」から「学び」へ;蓄積型から創造型の教育へ)
著者等紹介
上杉賢士[ウエスギケンシ]
1948年生まれ、山梨県出身。千葉大学教育学部を卒業後、船橋市・千葉市小学校、千葉大学教育学部附属小学校、千葉市教育センター・千葉県総合教育センターなどで勤務した後に、1999年に千葉大学大学院教育学研究科教授を経て、2011年から千葉大学教育学部附属教育実践総合センター教授。特定非営利活動法人日本PBL研究所理事長、日本生徒指導学会副会長、千葉県スクールアドバイザー、茅ヶ崎教育センタースーパーバイザーなど(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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