出版社内容情報
青年期の心理の考究だけでなく、不適応青年の理解と治療についても盛り込まれ、臨床家にも役立つ。〔本書のポイント〕
・青年心理学のこれまでの研究が網羅され、大学のテキストとして使える。
・キレる、ひきこもり、うつ、など、不適応青年の理解と治療も盛り込まれ、青年の心理臨床にかかわる人に役立つ。
・文献、用語解説が充実し、青年心理学にかかわる修士論文、博士論文を執筆する際、便利。
・図表が多数盛り込まれ、わかりやすい。
青年期にいる大学生や大学院生が自分自身を知る、臨床家が現在の青年期クライエントの心をより深く理解する、青年心理学者が学術的に青年の心理を考究する、など、さまざまに使える青年心理学の基本書。現代の青年はどうなっているのか、これからの青年心理学はどうあるべきか、探る。
はじめに
?理論編
(1) 青年心理学とは
(a) 青年心理学の定義
(b) 青年期とは
(c) 青年期の発達課題
(d) 青年期の心性の変遷と現代青年の心性
(2) 青年心理学の理論
(a) ホールの疾風怒濤の時期としての青年期
(b) シュプランガーの第二の誕生の時期としての青年期
(c) ホリングワースによる青年期の心理的離乳論
(d) ミードによる青年期の文化規定論
(e) アンナ・フロイトによる思春期の欲動増大論
(f) エリクソンによる青年期のアイデンティティ論
(3) 青年心理学の歴史
(4) 青年心理学の研究方法
(a) 研究上の倫理
(b) 研究目的に即した研究方法
(c) 質的研究と量的研究
(d) 心の発達をみるのか,時代性をみるのか
(e) 青年心理学の研究方法の問題点
(5) 現代の青年の特徴をどうとらえるか
(a) 現代の青年期の6つのタイプ
(b) 生涯発達の中での青年期の特徴
(c) ありのままの青年の心をどうとらえるか
(d) 青年期の不適応をどうとらえるか
?発達編
(1) 自我・自己
(a) 自我・自己の芽生え
(b) 自我・自己とは
(c) 自我・自己の発達論
(d) 青年期の自己に関する研究
(2) 生活空間からみた青年の発達
(a) 世界の中でのわが国の青年
(b) 家庭の中での青年
(c) 学校の中での青年
(d) 遊ぶ,働く,愛する青年
(3) 青年期の時間的展望
(a) 時間的展望の構造
(b) 時間的展望のこれまでの研究
?臨床編
(1) 主な不適応理論
(a) 3つの不適応理論
(b) 自我の強さとは
(2) がまん強さがない青年たち
(a) キレる
(b) 非行
(c) ひきこもり
(d)中学生の不登校と嗜癖化したリストカット
(e) いじめ
(f) まとめ
(3) 現実感が乏しい青年たち
(a) 対人恐怖
(b) 解離
(c) うつ状態
(d) アパシー
(e) まとめ
(4) 身体症状で表現する青年たち
(a) 摂食障害
(b) 過呼吸
(c) 過敏性腸症候群
(5) 青年期の心の問題への治療と教育のポイント
大学生との対話録
用語解説
文献
おわりに
事項索引
人名索引
コラム? テレビ番組の視聴率からみた青年の変化
コラム? チャットは,前思春期の交流に有害か
コラム? 少女は,なぜダイエットや占い,血液型診断を好むのか
コラム? 人気アニメ,人気CD,人気映画からみた青年心理
コラム? 君は,「尾崎豊」を知っているか
コラム? 臨床家フロイトとロジャースの青年期
コラム? 人気アイドルの変遷――ヒーロー・ヒロインからピアグループアイドルへ
コラム? 学力低下を嘆きながらの青年期ルネッサンス
コラム? 居場所のない締め出しが事件をまねく
コラム? 無差別殺人事件からみた青年の甘えと自己中心性
コラム? アントニオ猪木とジャイアント馬場のアイデンティティ形成の違い
コラム? オウム真理教事件からみた青年像
コラム? 事件にみる青年の変身願望とルックスへのこだわり
コラム? 若者ことばからとらえた青年期心性
長尾 博[ナガオヒロシ]
著・文・その他
光富 隆[ミツトミタカシ]
著・文・その他
目次
1 理論編(青年心理学とは;青年心理学の理論;青年心理学の歴史;現代の青年の特徴をどうとらえるか)
2 発達編(自我・自己;生活空間からみた青年の発達;青年期の時間的展望)
3 臨床編(主な不適応理論;がまん強さがない青年たち;現実感が乏しい青年たち;身体症状で表現する青年たち;青年期の心の問題への治療と教育のポイント)
著者等紹介
長尾博[ナガオヒロシ]
活水女子大学文学部教授(医学博士)。1976年九州大学教育学部卒業。1978年九州大学大学院教育学研究科修士課程修了。1981年九州大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。九州大学教育学部助手。専攻は臨床心理学、青年心理学、精神医学
光富隆[ミツトミタカシ]
活水女子大学文学部講師(心理学博士)。1981年琉球大学教育学部卒業。1985年広島大学大学院教育学研究科博士課程前期修了。1990年広島大学大学院教育学研究科博士課程後期単位取得退学。広島大学教育学部助手。専攻は発達心理学、青年心理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。