出版社内容情報
教職課程のテキストとして好評のロングセラーに大幅に加筆し、現在の学校教育の動向に対応した。教育相談は、子どもの生き方によりそいながら、そのあり様に向き合う営みである。本書は、とくに学級担任の指導援助を中心に、入門的な内容で構成している。教職課程のテキストとして好評のロングセラーに大幅に加筆し、現在の学校教育の動向に対応した。
新訂版の刊行にあたって
はじめに
1章 21世紀を生きる子ども――その自己育成の視点――
1 子どもの存在と「生きる力」
2 子どもの自己育成の視点
(1)「学び方」を学ぶ
(2)「選ぶ力」を学ぶ
(3)「読・書・算の力」を身につける
(4)「ルール・モラル」を身につける
3 教育相談・カウンセリングの考え方
(1)教育相談の考え方
(2)教育相談と生徒指導
4 カウンセリングの発想で子どもにかかわる
5 子どもの思考に学ぶ――カウンセリン感覚のある授業
2章 子どもとかかわる8つの基本原理――カウンセリングの発想から――
1 教師としての自己を語る
(1)「先生のことを知りたい」
(2)「自己開示」(self-disclosure)する
(3)「先生はどう思っているの?」
2 子どもの〈こころ〉をよく聴く
(1)「あのね,先生ー」
(2)腰をかがめて聴く
(3)「秘密ごころ」を聴く
3 子どもの感情を明確化する
(1)言語化が苦手な子どもたち
(2)繰り返しながら聴く34
4 あいさつを習慣化する
(1)あいさつで子どもがわかる
(2)エンカウンター(encounter)の体験
5 スピーディーに応対する
(1)すぐやりたい気持ち
(2)「SSS・D」の感覚
6 子どものメッセージに応じる
(1)タイミングを見逃さない
(2)子どもの課題解決能力を信頼する
(3)子どもの内発的な動機を促す
7 子どもの努力・成長に学ぶ
8 事実に即して叱る・ほめる
(1)叱られること
(2)意味のある叱り方
(3)じょうずなほめ方
3章 子どもの人間関係づくり――豊かな学級生活のために――
1 学級の「まとまり」をつくる
(1)学級の集団がまとまること
(2)計画的な学級集団の経営を進める
(3)学年の発達段階に応じた工夫をする
2 〈かかわる力〉をはぐくむ
(1)子どもの欲求を受け止める
(2)マイナスの「思い込み」を解消する
(3)学級の団結力を高める
3 コミュニケーション能力を育成する
(1)基本的なコミュニケーション能力を身につける
(2)グループ・エンカウンターを活用する
(3)異年齢による集団活動を推進する
4 指導観・授業観の転換
(1)その基本的な考え方
(2)子どもの主体的な活動を創る……特別活動の充実から
4章 教育相談の計画と活動の実際
1 計画の作成
(1)学級担任による教育相談の計画の必要性
(2)計画立案の実際例
(3)計画を日々の教育相談活動に生かす
2 教育相談活動の実際例
(1)家庭訪問の工夫……不登校傾向の場合
(2)子どもの進路に関する相談
(3)保護者会で子どもの反抗心を考える……小学校5年生の例
(4)同僚の教師に反感をもつ子への対応
(5)指導報告書の作成(担任としての報告例)
(6)スクールカウンセラーとの連携・協力
5章 学級担任が向き合う危機的な問題
1 「学級崩壊」を克服する
(1)いわゆる「学級崩壊」の意味
(2)事例に学ぶ
(3)「学級崩壊」の要因を考える
(4)状況分析を的確に行う
(5)事態改善の方向を考える
(6)日々の予防的対応を重視する
2 「いじめ」を克服する
(1)「いじめ」とは――その認識の重要性
(2)いじめの基本認識
(3)いじめの発生状況
(4)「いじめ」の事例
(5)教師一人一人に、どのような指導が求められているか
(6)「いじめ集団」をつくらない指導を工夫しているか
(7)深刻な事態にどのように対応するか
(8)学校全体の日々の指導態勢は十分に機能しているか
3 不登校の問題を考える
(1)不登校の実態
(2)不登校のきっかけ(要因)
(3)カウンセリングの考えを生かした対応
(4) 子どものサインに気づく――予防的対応
4 保護者との対応力を磨く
(1)関係づくりの基本
(2)専門性を生かした教育信条を伝える
(3)「危機」に向き合う
(4)保護者の「不安」を理解する
5 あってはならない〈体罰〉
(1)事例――「携帯電話所持に怒り、殴る・蹴る」
(2)事例からの学び
(3)予防・防止のポイント
6章 問題行動の考え方と対応の実際
1 その考え方と対応の基本
(1)早期発見の必要性
(2)組織的な対応――その考え方と計画づくり
(3)近年の問題行動への考え方
2 対応の実際例
(1)事例1 教室で盗みが発生(小学4年)
(2)事例2 授業中に落ちつかない子(小学2年)
(3)事例3 すぐにカッとなる子(小学6年)
(4)事例4 怠学傾向の生徒(中学2年)
(5)事例5 お金欲しさから売春に走った生徒(中学3年)
(6)事例6 教師を殴り怪我をさせた生徒(中学2年)
(7)事例7 継続する集団いじめ(中学2年・3年)
主な参考文献
索引
有村 久春[アリムラ ヒサハル]
著・文・その他
目次
1章 21世紀を生きる子ども―その自己育成の視点
2章 子どもとかかわる8つの基本原理―カウンセリングの発想から
3章 子どもの人間関係づくり―豊かな学級生活のために
4章 教育相談の計画と活動の実際
5章 学級担任が向き合う危機的な問題
6章 問題行動の考え方と対応の実際
著者等紹介
有村久春[アリムラヒサハル]
東京聖栄大学教授。専門:教育学、生徒指導研究、特別活動研究、学校カウンセリング研究。昭和23年・鹿児島県生まれ。東京都公立学校教員、東京都教育委員会指導主事・主任指導主事(指導室長)。東京都公立学校長。平成10年から昭和女子大学(講師・助教授・教授)、平成19年から岐阜大学大学院教授、平成22年から帝京科学大学教授、平成26年4月に現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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