出版社内容情報
ADHDの診断が世界的に増加している。その結果、ADHDも含む発達障害と診断される子どもの数が増え、その可能性のある子どものパーセントもどんどん増えている。このようにレッテルを貼られると、当然、その子に対する対応の仕方が「問題児」としての扱いに変わってしまい、学校や家庭でふつうの子として見られなくなる。それでいいのだろうか。本当に問題児として扱うべきなのだろうか。こうした子どもたちをそうした社会的、行動的、学業的失敗と見なされるサイクルから救い出すにはどうしたらいいのか。本書は、それを追究してきた著者による子どもを救う方法を満載する。
ADHDの症状には医学的にも環境的にもさまざまな原因がある。医学的には、脳の実行機能をつかさどる領域の成熟が定型発達の子どもより何年か遅いことが大きな要因となりうるし、環境面では子どもに本来の子どもらしさを学校で発揮させる余地がなくなっているといった理由も考えられる。またそれぞれの子が示す「症状」もひとまとめにできないほど十人十色で、見方によっては個性ともいえるものだ。それをおとなの主観や基準で画一的にレッテル貼りし、安易に薬物療法にゆだねてしまうことは、当の子どもにとって残酷な仕打ちであり、その将来を暗いものにしてしまいかねない。決して薬物治療を否定しているわけではなく、その子にあった対応の仕方をどう考えていくのか、何をどうするのがその子にとっていちばんよいのかを真剣に考えていく本となっている。
【目次】
目次(一部抜粋)
第Ⅰ部 ADHDの神話とその欠陥
第Ⅱ部 ADHDはなぜアメリカから世界中へと蔓延したのか
第Ⅲ部 薬やレッテル貼り、強制なしで子どもの行動と注意力の持続時間を改善する101の方法
戦略1 お子さんがそわそわするのにまかせる
戦略10 身体を動かせる家具を作る、借りる、買う
戦略20 お子さんの創造性を育む
戦略30 ジャンクフードを制限する
戦略40 オンライン学習を教育に活用する
戦略50 いろいろな刺激のある学習活動を提供する
戦略60 成長型のマインドセットを身につけさせる
戦略70 偶然を学習に取り入れる
戦略80 いっしょにチェスや囲碁をする
戦略90 個人の心理療法を考えてみる
戦略101 整理のための戦略を教える



