コロナ禍と出会い直す―不要不急の人類学ノート

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コロナ禍と出会い直す―不要不急の人類学ノート

  • 磯野 真穂【著】
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  • サイズ 46判/ページ数 232p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784760155651
  • NDC分類 498.6
  • Cコード C0036

出版社内容情報

最後のお別れすら許さない病院、火葬すら立ち会わせない予防策、子どもたちへの黙食指導、至る所に設けられたアクリル板、炎天下でも外せないマスク、連呼された「気の緩み」――あの光景はなんだったのか?

人類学者が「不要不急」のフィールドワークから考えた、「和をもって極端となす」日本社会の思考の癖、感じ方の癖!

【本書の内容】
コロナ禍で連呼された「大切な命」というフレーズ。それは恐らく、一面的には「正しい」フレーズであった。しかし、このフレーズのもとに積み重ねられた多様で大量の感染対策が、もとから脆弱であった人々の命を砕いたのも事実である。そしてその余波は、いまだに続いている。

もちろん必要な対策もあっただろう。しかし、「批判を避けたい」「みんながそうしている」「補助金が欲しい」といった理由に基づく名ばかりの「感染対策」はなかったか。そのような対策が、別の命をないがしろにしていた可能性はなかったか。忘却する前に、思い出す必要があるはずだ。未来の命を大切にするために。

“出会いとは、自分が予想し得なかった人や出来事との遭遇のことを指す。だからこそ、出会いの瞬間、私たちは驚き、戸惑い、右往左往する。2020年冬にやってきたコロナも私たちにとっては出会いであった。驚いた私たちは困惑し、社会は恐れと怒りに包まれた。あれからすでに4年が経過する。人でごった返す繁華街から人影が消えたあの時の風景に私たちはどのように出会い直せるだろう。”

「出会い直し」とは、過去に出会った人や出来事の異なる側面を発見することを通じ、それらとの関係を新たに編み直すことを指す。本書では、コロナ禍のフィールドワークで集めた具体例とともに、「コロナ禍と出会い直す」ためのいくつかの視点を人類学の観点から提供する。現地に赴くフィールドワークを、研究者自らの手でエッセンシャルから「不要不急」に追いやっていいのだろうか。感染予防のためなら、暮らしのほとんどは「不要不急」になるのだろうか。

人間の生とは何か。人類学者が問いかける。

内容説明

最後のお別れすら許さない病院、火葬すら立ち会わせない予防策、子どもたちへの黙食指導、至る所に設けられたアクリル板、炎天下でも外せないマスク、連呼された「気の緩み」―あの光景から希望を紡げるか?人類学者が「不要不急」のフィールドワークから考えた、「和をもって極端となす」日本社会の思考の癖、感じ方の癖!

目次

プロローグ 私たちがコロナ禍に出会い直さねばならない理由
1章 新型コロナの“正しい理解”を問い直す―人類学の使い道
2章 新型コロナと出会い直す―医療人類学にとって病気とは何か
3章 「県外リスク」の作り方―医療人類学と三つの身体
4章 新型コロナと気の力―感染拡大を招いたのは国民の「気の緩み」?
5章 私たちはなぜやりすぎたのか―日本社会の「感じ方の癖」
6章 いのちを大切にするとは何か?―介護施設いろ葉の選択
エピローグ コロナ禍の「正義」に抗う

著者等紹介

磯野真穂[イソノマホ]
人類学者。専門は文化人類学、医療人類学。2010年早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。早稲田大学文化構想学部助教、国際医療福祉大学大学院准教授を経て2020年より在野の研究者として活動。2024年より東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授。一般社団法人De‐Silo理事。応用人類学研究所・ANTHRO所長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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とある内科医

31
「コロナ禍って何か変だったよね?」と、本来は日本人が感じていたはずの違和感を人類学者として様々な観点から言語化し読み解いた本。著者の新刊としてこのタイトルを見た瞬間、当然買う本と認識し直ちに買ったのだが、考えることが多く読み終えるのに時間がかかった。日本人全員が読んで客観的に出会い直すべきと考え、"近くの書店に何冊入荷されどう陳列されるかチェックする警察"を実施。平積みでなく書棚に1冊だけ…いやいや、扱いが小さ過ぎる。感想がまだ1件しかないのもおかしい。とにかく皆様、本書を読んで深く考えましょう。2024/06/07

きゃれら

26
「急に具合が悪くなる」や「他者と生きる」で病気、医療と社会、人生について鋭い論考を読ませてくれた磯野さんが、コロナ禍を振り返った著作出したら読まないわけにはいかない。僕はコロナ対策はすべてまともでなかったと思っているが、著者はそうした感情的な批判は慎重に避けつつ、起きたことのおかしさ、対策の矛盾、現場の人々の無責任な行動を一つ一つ丁寧に具体的に報告する。病気を「疾病」と「病い」に分けて考える人類学的観点の分析を読み新しい視座を得られた。あんな騒ぎにならなかったら質の悪い風邪にすぎなかったと思っているので。2024/08/22

mikarin

25
いくつかコロナ禍が舞台の小説を読んだけどその度にほんの少し前のことなのにもう忘れてることが多いことに気付いて我ながら驚いてた。遠い昔のことのようにも感じてしまう。でも忘れちゃいけないような気がしててだからこの本の存在を知ってすぐに読んでみた。まさに出会い直す感じ。あの頃の自分に。感染した人や県外ナンバーの車やマスクをしてない人に冷ややかな感情を抱いてたことを生々しく思い出す。最後の介護施設いろ葉の選択を読んで本当によかったと思った。どんな状況でも自分で考えることを放棄してはいけないことを忘れないように。2024/10/30

Mc6ρ助

19
『日本社会はその仕組みからして、真剣に現状の問い直しを行う機構が備わっておらず、物事が一旦ある方向に動き始めると、基本的に行き着く先まで行ってしまうより他ないとする丸山(そして土居と中根)の主張を肯定しておきたい。(p008)』のっけから手厳しいが、先日のトヨタの会長の発言のごとく自分たちが日本を蝕んできた(労働者や下請けの分配を減らして海外に投資してきてアンタたちが奪った35年?!)自覚がなく、日本を撤退してトヨタがやっていけないと気がつかないのが情けないはこの本の感想ではない爺さまの単なる意見なのか?2024/07/20

msykst

15
「何が正しかったのか」という答え合わせというよりは、「正しさ」に関する言説が人間社会(というか日本社会)の中でどう作られ、どう扱われ、あるいは扱えなかったのか、それはなぜか、という話だと思った。過剰なコロナ対策を振り返って著者は「奇妙」だったと言うけど、率直に言って自分もそう思うし、そう言ってくれて良かった。あの時に何に付き合わされていたのか、なぜ歯痒かったのかをこのタイミングで相対化できるのは助かる。情報発信が疫学的知識や差別に関する啓発に偏り、社会や文化に関する視点が欠けていた、という結論には納得。2024/09/18

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