謝罪論―謝るとは何をすることなのか

個数:
  • ポイントキャンペーン

謝罪論―謝るとは何をすることなのか

  • 古田 徹也【著】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 柏書房(2023/10発売)
  • ゴールデンウィーク ポイント2倍キャンペーン対象商品(5/6まで)
  • ポイント 36pt
  • ウェブストアに2冊在庫がございます。(2025年05月01日 05時43分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●3Dセキュア導入とクレジットカードによるお支払いについて
    ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ 46判/ページ数 304p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784760155330
  • NDC分類 361.4
  • Cコード C0010

出版社内容情報

「すみません」では済まないとき、
何をすれば謝ったことになる?

責任、償い、約束、赦し、後悔、誠意への懐疑――
謝罪の機能や不適切な謝罪の特徴を解き明かし、
学際的な知を総動員して、「謝罪の全体像」に迫る!

【本書の内容】
親はある時期から、悪さをした子どもを叱る際、そういうときは「ごめんなさい」と言うんだ、と教え始める。すると、子どもはやがて、「ごめんなさい」と言うことはできるようになる。けれども今度は、場を取り繕おうと「ごめんなさい、ごめんなさい……」と言い続けたり、「もう『ごめんなさい』と言ったよ!」と逆ギレをし始めたりする。

「違う違う! ただ『ごめんなさい』と言えばいいってもんじゃないんだよ」――そう言った後の説明が本当に難しい。「すみません」で済むときもあるが、それでは済まないときも往々にしてあるからだ。「すみません」といった言葉を発したり、頭を下げたりするだけでは駄目なのだとしたら、何をすれば謝ったことになるのだろうか。声や態度に表すだけではなく、ちゃんと申し訳ないと思い、責任を感じることだろうか。しかし、「申し訳ないと思う」とか「責任を感じる」とはどういうことなのだろうか。そして、そのような思いや感覚を相手に伝えるだけで、果たして良いのだろうか。結局のところ、「謝る」とは何をすることなのだろうか?

本書では、満員電車のなかで意図せず他人の足を踏んでしまったときの謝罪から、強盗の加害者による被害者への謝罪、さらには、差別的言動や医療過誤、戦後責任などをめぐる謝罪に至るまで、多様な事例を具体的に取り上げながら、「責任」「後悔」「償い」「赦し」「当事者」「誠実さ」といった、謝罪をとりまく重要な概念同士の関係を丹念に解き明かしていく。そして、謝罪という行為の全体像を描き取ることを通して、「謝るとは何をすることなのか」という問いに対する十全な回答を提供する。

本書のこうした道行きは、不適切な謝罪と不必要な謝罪がともに蔓延するいまの日本の社会状況に対して、これを批判的に分析するという要素も併せ持つだろう。この社会で他者とともに生きていくための手がかりをさぐる、実践的探究の書。

内容説明

「すみません」では済まないとき何をすれば謝ったことになる?責任、償い、約束、赦し、後悔、誠意への懐疑―謝罪の機能や不適切な謝罪の特徴を解き明かし、学際的な知を総動員して、「謝罪の全体像」に迫る!

目次

第1章 謝罪の分析の足場をつくる(“軽い謝罪”と“重い謝罪”―J・L・オースティンの議論をめぐって;マナーから“軽い謝罪”、そして“重い謝罪”へ―和辻哲郎の議論をめぐって;謝罪にまつわる言葉の文化間比較)
第2章 “重い謝罪”の典型的な役割を分析する(責任、償い、人間関係の修復―「花瓶事例」をめぐって;被害者の精神的な損害の修復―「強盗事例」をめぐって1;社会の修復、加害者の修復―「強盗事例」をめぐって2)
第3章 謝罪の諸側面に分け入る(謝罪を定義する試みと、その限界;謝罪の「非本質的」かつ重要な諸特徴;誠実さの要請と、謝罪をめぐる懐疑論)
第4章 謝罪の全体像に到達する(非類型的な謝罪は何を意味しうるのか;謝罪とは誰が誰に対して行うことなのか;マニュアル化の何が問題なのか―「Sorry Works!運動」をめぐって)

著者等紹介

古田徹也[フルタテツヤ]
1979年、熊本県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科准教授。東京大学文学部卒業、同大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。新潟大学教育学部准教授、専修大学文学部准教授を経て、現職。専攻は、哲学・倫理学。『言葉の魂の哲学』で第四一回サントリー学芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

buuupuuu

25
謝罪と呼ばれているものがいかに多様であるかを示すことが本書の眼目となっている。私達は謝罪によって何をしようとしているのか。謝罪が謝罪と見なされるには何が必要なのか。答えは一つに定まらない。それゆえ本書では、例外も許すような条件を多く挙げることで謝罪を特徴づけようとする。自分が思い込んでいたのとは違うような謝罪の形がその場で求められているということもありうるのである。自分にどのような責任があるのか分からない中でなされる謝罪があり、それが相手方と共に認識を深めていく関係性の起点になるという考えが新鮮だった。2023/12/13

特盛

23
評価4/5。ウィトゲンシュタイン研究の古田先生による、謝罪の分析哲学の実践。(なので、マニュアルを求めて読むと過剰に退屈になるので注意だ。)謝るってそもそも我々何をやっているのか?この状況、言語ゲームの解きほぐしは実に様々なグラデーション、想定が存在することを明らかにする。主体の多様性、客体の多様性、表現されることとさらには文化の違いなども議論される。謝罪は他人と生きている限り、宿命的に要求される。それをここまで深く掘ることはなかなかない。良い契機になった。世の謝罪のシーンにとても敏感になる。2024/07/14

うずら

16
謝罪とは…について深く深く掘り下げた本。謝罪!したりされたり報道で目にしたりはしていてもここまで掘り下げて考えてこなかったのでとても新鮮な視点だった。ちょっとした間違いで攻撃されてしまいがちな現代において謝罪について知っておくことは有効だ。2024/03/18

makimakimasa

12
夫婦喧嘩の参考に。なぜ彼女は頑なに謝ろうとしないのか?謝罪の諸側面と全体像をこうしてまとめた分析を読むと、自分の怒りとストレスの根源が整理出来た。軽い謝罪は儀礼的マナーであり、人間関係の信頼維持を確認したいだけ、責任追及したい訳ではない。逆に重い謝罪は単にごめんと言えばいいだけでなく、発話前後の行動や相手の受け止め等の要素を鑑み、誠意が伝わる努力が必要と己を省みた。交通事故や病院事故や『北の国から』や豪連邦議会など様々な謝罪事例、英語との比較も実に奥深い。謝罪会見を開く予定の人はエピローグだけでも必読。2024/09/01

teddy11015544

10
この本を読み終わっても、残念ながら、謝罪の達人にはなれなかったようだ。でも客観的に謝罪というものを扱えるようにはなったかもしれない。いずれの場合でも謝罪はコミュニケーションの始まりと、時によってはその終わりであるいうことだ。2024/02/14

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/21546874
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。

最近チェックした商品