内容説明
七年八カ月に及んだ安倍政権下、なぜリベラルは敗け続けたのか。問われていたのは、国民を愚民視し、不都合な民意をポピュリズムと断じ続けた自称リベラル勢力の歪んだ認識と底の浅さだった。改憲論争、沖縄の基地移転、脱原発…あらゆる局面で垂れ流された矛盾と欺瞞を、朝日記者が検証する。
目次
第1章 正義の暴走―世間とジャーナリズムとの共犯関係
第2章 フェミニズム―目指すべきは差異か?普遍か?
第3章 憲法九条―リベラルが民主主義を損なうとき
第4章 原発と科学報道―リベラルメディアが忘れたい過去
第5章 沖縄と本土―どちらの民意が重いのか
第6章 天皇と戦争責任―戦前から持ち越されたタブー
補論 インタビュー
著者等紹介
石川智也[イシカワトモヤ]
1998年、朝日新聞社入社。社会部でメディアや教育、原発などを担当したのち、特別報道部などを経て、2021年4月からオピニオン編集部。慶応義塾大学SFC研究所上席所員、明治大学感染症情報分析センターIDIA客員研究員を経る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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原玉幸子
17
朝日新聞に対する先入観と言うか偏見があり、(私自身が時に選ぶにも関わらず、自分のことは棚に上げて「朝日らしい」と思う)フェミニズム、憲法九条、沖縄問題、天皇制等のテーマ然り、語句も文体も朝日そのままでした(著者の使う文言が結構知らず恥しい)。難しい題材故にか「新聞記者の取材止まり」と感じてしまう迫力の無さに多少がっかりしつつも、補論に組み込んだ井上達夫のインタビュー(とあとがき)が真っ当で説得力があります。専門家を巻き込み自身の主義主張を補足させて本に仕立てるのはずるいっ!です。(◎2021年・夏)2021/05/20
チェアー
6
リベラルからリベラル陣営を批判する書。あとがきに書いてあるように、原発報道についての朝日の歴史とスタンスを描いた章が自己切開していて出色の出来。 自衛隊論議、憲法論議、ジェンダーについての論も言われてみればなるほどと思う。政治状況に関係なく(だれを利するのかを考えず)、まっとうな論を立てることは必要なのだなと思った。 井上名誉教授との対談が、この本のバックボーンになっていると理解。 2021/06/01
hideto
5
朝日新聞社員による「さよなら朝日」。非常にキャッチーなタイトルで、現役社員による会社批判の一冊か?と思いきやそこまでではなく。憲法9条、沖縄米軍基地問題、原発問題、戦争責任等々、朝日新聞をはじめとする各新聞では読むことのできない持論を読むことができ、とても参考になりました。ただ、非常にわかりにくい部分も多く、読み進めるのが大変。この一冊の是非を語るには、かなりの知力が必要だと思いました。あと、タイトルはやっぱり違うような気が。2021/09/07
K.C.
5
朝日新聞は好きではないが、思想信条としては左でも右でもなく、中道少し左派くらいの感覚を持っているつもり。かつてあった噂の真相くらいのスタンスが気持ちいいのだが。 朝日をディスって満足するためではなく取った本書。メディアに求めていて渇望しているものが少し埋まった感じはする。中立なフリをしてサブリミナル効果のように誘導する手法に騙されているとは思いつつ、メディアリテラシーをもっと高めたいと考える我が身。2021/05/19
渓流
3
サヨナラ出来ない奴が「さよなら朝日」と言っても迫力ないし、内容も煮え切らず軟弱で今一、文章も悪文の限り。濃い内容を平易に書くのが記者であろうに、薄い内容を難解な漢字と言い回しと先哲の言説を引っ張って来て、さも俺は何でも知っていぞと高級感を出そうとする根性、胸にずんと来る主張からは遠い。こんな記者を辞めさせない朝日も凄いとよいしょする文芸評論家の話を載せるのも些か卑しく、矜恃が感じられない。ただ、井上たっちゃんの言説が載っていたのはおまけの様だが実はこっちがずんと胸に来る、これがなかったらただの自慰本ですナ2021/06/18
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