内容説明
邪悪と無垢の織り成す犯罪曼荼羅。超絶技巧を駆使したメタ・ミステリ(『花の旅夜の旅』)。頽廃と官能に覆われた幻想ミステリ(『聖女の島』)。
著者等紹介
皆川博子[ミナガワヒロコ]
1930年、京城生まれ。東京女子大学英文科中退。1970年「川人」で第2回学研児童文学賞を受賞後、72年、児童向け長篇『海と十字架』でデビュー。「アルカディアの夏」で第20回小説現代新人賞(73年)、『壁―旅芝居殺人事件』で第38回日本推理作家協会賞(85年)、『恋紅』で第95回直木三十五賞(86年)、『薔薇忌』で第3回柴田錬三郎賞(90年)、『死の泉』で第32回吉川英治文学賞(98年)、『開かせていただき光栄です』で第12回本格ミステリ大賞(2012年)、第16回日本ミステリー文学大賞(13年)をそれぞれ受賞。ミステリ、時代小説、幻想文学等幅広いジャンルで作品執筆を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
秋良
14
図書館にあった文庫版で既読なので、展開を忘れてた「花の旅〜」とインタビューのみ読了。評価の高い「聖女の島」は、何となく好きになれず。細部はリアリティ溢れてるのに話がぶっ飛ぶとこ本当好き。また「蝶」とか「結ぶ」を読み直したくなる。2020/11/23
漣
6
2編収録。どちらとも、今の著者に通ずるところのある作品だった。あとがきでも、のびのびと好きなことを書いたので、復刊はたいそう嬉しいと言う旨が書いてあり納得した。個人的には『聖女の島』のほうが好き。閉鎖的な場所と歪な人間関係が齎す避けようのない崩壊。手に入りにくくなってしまった作品をこうして読むことができると言うのは本当にありがたいことです……。2021/02/23