内容説明
いざ、人類の闇へ。「死」「無し」「世界の終わり」悲しい地名にあなたを連れ出す「反」旅行書。
目次
幻惑島―南極
世界の終わり―アメリカ合衆国 カリフォルニア州
悲哀諸島―カナダ ブリティッシュコロンビア州
どこにも行かない道―カナダ ヌナブト準州
絶望山―オーストラリア 南オーストラリア州
無し―アメリカ合衆国 アリゾナ州
空間の地図学
望薄島―カナダ ノヴァスコシア州
孤独島―ロシア カラ海
世界の果て―イギリス ロンドン
著者等紹介
ラッド,ダミアン[ラッド,ダミアン] [Rudd,Damien]
1984年生まれ。芸術家、作家。オーストラリア・シドニー出身。ノルウェー・ベルゲン国立芸術大学で学ぶ。現在はオランダ・アムステルダム在住。アビ・ヴァールブルクの『ムネモシュネ・アトラス』についての研究を行う
菅野楽章[カンノトモアキ]
1988年東京生まれ。早稲田大学文化構想学部卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
R
55
ちょっとタイトルで脅しすぎというべきか、実態と内容に乖離がある本だった。世界中にあるいわくありげな、中二病めいた地名を紹介し、そのいわれを書いたB級本といった感じで楽しい。おどろおどろしさを出そうと苦心しすぎてわかりづらい文章が残念で、そのせいか誤った解説もありそう。日本からは樹海の話が出てくるけども、その内容のちぐはぐさを考えると他のところもどうなんだと思ってしまった。とはいえ、世界の果てとか、何もない場所とか、面白い地名があるもんだと素直に楽しめた。2022/08/24
宇宙猫
27
挫折。地名コレクションとのことで、地図上で死や絶望を想起させる地名を集めて説明している。文章が回りくどくて大げさでうんざりしてきて、日本の青木ヶ原が”自殺森”と紹介されてる場所を読んでみら説明が胡散臭くてもういいやと思う。そもそも”自殺森”なんて名前じゃないから、他の地名も想像入ってるのかも。2020/07/27
くさてる
20
「幻惑島」「世界の終わり」「絶望山」「孤独町」などの奇妙で不可解な地名を持つ場所のガイドブック。けれど著者はその場所に赴くこともなく(おそらくは)ざっと調べたその地域の経歴が述べられているだけ。日本の「青木ヶ原樹海」の薄い内容を読めば、ほかの場所もこれくらいの知識で書かれているのかと軽い失望も感じた。むしろ、挟み込まれている著者の旅エッセイの方が読み応えある不条理感があって面白かったです。2020/11/11
田氏
20
著者は、自身がこれらの場所を訪れることは過去にも先にもないと明言する。それは本書が現地ルポではないという宣言であり、写真もクリエイティブ・コモンズの拾い物が申し訳程度に掲載されるのみ。渉猟の証ともいえる参考文献一覧もなく、情報量だけでいえばウィキペディアに毛の生えた程度であることも少し検索すればわかる。では一体なにがこの本の主題だったのだろうか?それは情報ではなく、思索にあるのだろう。それは文間に挟まれるエッセイからも推察できる。しかし、「思考による旅行」を味わうにしても、文章の喉越しは良いとは言えない。2020/10/11
ズー
19
「地名」には結構、その土地の意味するところや、ストーリーが隠されている。樹海は知っていたけれど、他はほとんど知らなかったな。樹海に対する異国の著者の受け取り方や目線に、新しい発見があった。そうかそう見られているのかと。だいたいが不幸な過去を背負っている地名。かなり壮絶!そりゃそんな名前もつけるわって感じ。合間に挟まれる、長めのエッセイのがけっこう好き。なんかちょっと非現実的な感じで素敵だった。2023/09/03