内容説明
昔むかし、超生きていました。そして今も生きています。昔話の女の子を超おもんぱかる新感覚エッセイ。
目次
1 どうしても欲しい女の子たち(オタクとヤバい女の子―鬼を拝んだおばあさん;年齢とヤバい女の子―辰子姫(辰子姫伝説) ほか)
2 許さない女の子たち(嘘とヤバい女の子―磯良(雨月物語)
後戻りとヤバい女の子―宇治の橋姫(平家物語 剣の巻) ほか)
3 あれこれ言われる女の子たち(腕力とヤバい女の子―尾張の国の女(今昔物語)
嫉妬とヤバい女の子―山の女神(オコゼと山の神) ほか)
4 抵抗する女の子たち(意思とヤバい女の子―松浦佐用姫;新生活とヤバい女の子―絵姿女房 ほか)
5 運命を切り開く女の子たち(花とヤバい女の子―コノハナノサクヤヒメ(古事記/日本書紀)
友達とヤバい女の子―ちょうふく山の山姥 ほか)
著者等紹介
はらだ有彩[ハラダアリサ]
関西出身。テキスト、テキスタイル、イラストレーションを作るテキストレーター。ファッションブランド“mon.you.moyo”代表。2018年4月、『日本のヤバイ女の子』(柏書房)を刊行。新聞・雑誌・ウェブメディアで小説、エッセイ、漫画を発表している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
76
昔話の新しい考察[Ⅰ:どうしても欲しい女の子]鬼を拝んだおばあさん/辰子姫/鬼女紅葉/八百屋お七[Ⅱ:許さない]磯良(雨月物語)/宇治の橋姫/累(累ヶ淵)/ろくろ首およつ[Ⅲ:あれこれ言われる]尾張の国の女(今昔物語)/山の女神(オコゼと山の神)/北山の狗の妻/天照大御神[Ⅳ:抵抗する]松浦佐用姫/絵姿女房/尻を出した娘/姫君(とりかえばや物語)[Ⅴ:運命を切り開く]木花咲耶姫/ちょうふく山の山姥/炭焼き長者の妻/山姥と百万山姥▽「超生きてる」彼女たちの生き様を知ることでなんか勇気を貰える気がする。2022/10/22
かおりんご
26
昔話や神話、言い伝えに出てくる女の子達を、独自の視点から読み解く、なんともまあフェミニズムな本。これ、第二弾だったんですね。だから、マイナー系が多かったと。こういう見方をして、童話なんかを読んだことがなかったから、新鮮でした。アマテラスの岩戸の話で神様が裸になって踊ったり、鬼から逃げる際にわざわざ下半身を露わにして笑いを誘ったりするところに、昔から下ネタを笑いにする文化があったことに驚きを感じました。2019/12/01
ほんわか・かめ
23
「鬼を拝んだおばあさん」が載っていると聞いてそこだけでも読めればと思っていたが、ついしっかり読んでしまいました(笑) だって、周囲から否定されようと“推し”を止めなかったという解釈が素晴らしすぎて!その他、古事記や今昔物語、雨月物語などに描かれる理不尽な扱いを受けた女性たち。しかしそんな境遇に甘んずることなく、彼女たちは静かにしたたかに抵抗していたんじゃないか、自ら運命を掴み取ったんじゃないか、と言う視点で掘り下げられています。文章は痛快ですが、著者の視点はあくまでも温かく、新たな視点で楽しく読めました。2022/03/03
ニョンブーチョッパー
21
★★★★★ 第一弾と比べるといくぶんマイナーなラインナップだったせいかやや、パワーダウンの印象。でも、前著と同様、様々な昔話の女子たちの気持ちをすくい取る姿勢がとにかく好印象。何百年も後の現代にこうやって気持ちを理解しようとする試みをする人がいることに本人たちも喜んでいることだろう(創作だんだろうけど)。一番グッと来たのは「アマテラスオオミカミ」。あとがきに書かれた「題材にする昔話を探す方法」が興味深い。2019/11/25
くさてる
17
「あったかもしれない、なかったかもしれない世界線の女の子たち」。神話や昔話、伝承に登場する女の子たちを紹介しながら、そのなかに見え隠れする彼女たちの心情や運命をくみとって、こうであっても良かったのでは、こんな感じじゃなかったのと考えていく。それを読んでいくうちに、わたしが思うのは、このヤバい女の子たちみなが幸せであってほしいよという思い。そしてその女の子たちがみな今に生きるわたしともつながってる、そんな感じです。おすすめです。2019/09/21