内容説明
ある日、目の前に現れたのは、風変わりなひとりの老人。出会いが、作家の人生とその作品を変えてゆく―ニューヨークの路地裏に生まれ、今なお、輝きを放つノンフィクションの傑作。
目次
ダッチ提督
ブロードウェイの辻説教師
ジプシーの王
ろうあ者クラブ
グレート・サウス・ベイの一日
バービー氏のテラピン
フーディーニのピクニック
ジョー・グールドの秘密
著者等紹介
ミッチェル,ジョゼフ[ミッチェル,ジョゼフ] [Mitchell,Joseph]
1908年、米国ノースカロライナ州生まれ。1929年にニューヨークへ出て、「ニューヨーク・ワールド」紙、「ニューヨーク・ヘラルド・トリビューン」紙、「ニューヨーク・ワールド・テレグラム」紙に記者として勤める。1938年から「ニューヨーカー」誌のスタッフライターとなり、寡作ではあるが同誌の最も優れた書き手のひとりと謳われた。1996年歿
土屋晃[ツチヤアキラ]
英米文学翻訳家
山田久美子[ヤマダクミコ]
英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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DEE
11
シリーズ4作目。1940年前後のアメリカでの人々の暮らしがベースとなった短編集。 ホンビノス貝の漁師たちを題材にした「グレート・サウス・ベイの一日」と表題作の「ジョー・グールドの秘密」が面白かった。グールドみたいな人が身近にいたら疲れるだろうなと思うけど、当時のアメリカにはそういうのを大目に見る懐の深さみたいなものがあったのかもしれない。2020/07/15
Hotspur
1
エキセントリックなキャラクターを様々に描くミッチェルだが、ジョー・グールドはなかでも別格(その交友関係はE・E・カミングスやマルカム・カウリーを含む)。作品集第1巻の「カモメ教授」続篇(修正版?)の「ジョー・グールドの秘密」。そこにはミッチェルがグールドに投影して自己を語る部分があって珍しく、同時に密度が濃い。これ以降ミッチェルが記事を一切書かなくなり、彼は生きる伝説となった(伝記まである)。それにしても、31年半もの間、記事を書かないミッチェルに対してポストを維持し続けた『ニューヨーカー』もすごい。2020/08/23
kawasemi
1
ジプシーの王とジョー・グールドの秘密、あとクラムの話は大変面白かったですね2020/01/07