内容説明
一児の母の視点から、ワクチンの重要性と現状に迫る米国ベストセラーエッセイ。
目次
親は子どもの運命を変えられるのか
赤ん坊とパンデミックが一緒にやってきた
ワクチンから連想するもの
あなたの健康はコミュニティの健康が決める
「あなたのような人が心配する必要はありません」
私たちには「菌」が必要だ
統計と恐怖心は一致しない
自然ならいいのか?
あなたはどちら側に属するのですか?
予防接種は民間療法だった〔ほか〕
著者等紹介
ビス,ユーラ[ビス,ユーラ] [Biss,Eula]
ノンフィクション作家、エッセイスト、批評家。『Notes from No Man’s Land』で全米批評家協会賞を受賞。「ビリーバー」「ハーパーズ・マガシン」などにエッセイを寄稿。ノースウェスタン大学でライティングを指導する。イリノイ州シカゴ在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヘラジカ
47
疫病やワクチンとの向き合い方を、科学や社会学、または哲学や倫理学など、多角的な面から語ったエッセイ集である。自らが揺れ動く不安定な母親だからこそ、あらゆるスタンスに寄り添っている印象を受けた。非常に理知的で納得させられる。これまでは陰謀論や否定派、はたまたパラノイアに陥る人々を心の底では軽蔑していたが、この本を読んで少し意識が変わったかもしれない。様々な問題の堆積として不信感が存在するのなら、切り捨てたり蔑ろにすることこそ非科学的な態度だと反省する必要がある。コロナ以前に書かれた本だが今読むべき一冊だ。2022/05/16
神太郎
18
一人の子どもを持つ親の目線から語られたウィルスとワクチンのお話。原著刊行時はH1N1の頃みたいで、日本では4年後2018年に出版。しかし、今日本のネットや現実問題でやいのかいの騒がれてる事が丁度この時に米国でも起こっていたというのだから、何も昨日今日始まったことではなく、長い歴史の中で何度も人間が直面してきた当たり前の反応でもありそれこそビル・ゲイツが言うように無知とかそういう事が問題じゃないってのが面白い。エッセイ調なので堅苦しい話はなく、子どもを持つ親の目線で語っているのが印象的だ。2023/12/04
mawaji
11
ポール・オフィットや村中璃子先生の著作同様、反ワクチン運動について記述された本書はエッセイスト、詩人および妊婦・母親の視点から書かれていますが、詩的・哲学的な側面とともにとても科学的な内容でワクチンの有効性や安全性が確認できます。「それでも個人のリスクの感じ方は直感的な判断であり専門家の言うエビデンスなど入る余地がない」現状を鑑みると、ワクチンを打ちたくても不安に思う母親たちに対してどのように伝えていくかなかなか難しそう。それにしてもウェイクフィールドやドクター・ボブはホントに悪いヤツでもう苛つきまくり。2018/07/23
鳩羽
9
子を持ったことで、子育てのままならなさ、他人の命のリスクを図らなければならなくなった著者が、ワクチンの歴史やエビデンス、公衆衛生について考察したエッセイ。集団において、ワクチン接種数が上がることが全体の罹患率を下げること、血液や臓器など、自分の体と他人の体は明確に分けることはできずいろんか媒体を通して混じり合っていること、また、病気にかかるのはそういう階層の人間という偏見があることから、接種が社会の意識の是正につながること、など、興味深い内容だった。2018/09/20
ソウ
4
「自分の子供にあえて小児ワクチンを接種させない母親が増えている・・おおよそのプロフィールは白人・高学歴・社会経済的に恵まれた・・自ら情報収集して理知的に選択する生き方の・・」主体的な人生を送りたい以外は全く被っていないのですが、私も一部のワクチンに対しては懐疑的なスタンスで、実際、毎年会社で無料で提供されるインフルエンザの予防接種を受けてきませんでした。接種した人間がバタバタとインフルエンザに罹患するのを横目に「ほらね」と心の中でうそぶいていました(入社以来私は一度も罹患したことがないのです)。2018/05/31
-
- 和書
- 新人漫画家、風俗嬢になる